[PP-2-1] 運動器疾患患者における回復期リハビリテーション病棟早期退院の比較について
【はじめに】
回復期リハビリテーション病棟(以下 回復期リハ病棟)は,疾患により入院生活の上限が決まっている.短くて60日,最長で180日である.大腿骨,骨盤,脊椎,股関節もしくは膝関節の骨折,または2肢以上の多発骨折の発症後,または手術後の患者,股関節または膝関節の置換術後の状態である患者は90日である.その患者の中でも回復期リハ病棟を30日以内に自宅退院する患者がいる.
早期自宅退院患者に関して,入院期間の差における退院時のFunctional Independence Measure(FIM)の各項目の差を比較検証する.なお,本研究は倫理的配慮に遵守し実施した.
【方法】
令和4年9月1日から令和5年4月30日に退院した患者のうち,回復期リハ病棟の入院上限期間が90日の運動器疾患患者で30日以内に自宅退院した26名を対象とした.回復期リハ病棟の入院期間を15日以内と16日から30日以内に分け,退院時のFIM(運動項目)の各項目の点数との対応をMan-WhitneyのU検定を行った.分析にはEZRを用いて優位水準を5%とした.
【結果】
15日以内に退院した患者の入院時のFIM(運動項目)の点数は71.4点であり,退院時のFIM利得は7.9点であった.16日から30日以内の患者の入院時のFIM(運動項目)の点数は72.3点であり,退院時のFIM利得は14.5点であった. FIM効率は15日以内に退院した患者も16日から30日以内に退院した患者も0.7であった.
FIM(運動項目)の各項目に関しては,移動の項目において優位な差が認められ(p<0.05),その他の各項目には優位な差が認められなかった.
【考察】
回復期リハ病棟に入院している患者のうち,早期に退院する運動器疾患患者は一定程度見受けられる.その中でも15日以内に退院する患者と16日から30日以内に退院する患者では,FIM効率はどちらも0.7であり,FIMの移動の点数には有意な差が認められた.どちらの患者もADLは見守りから自立にて自宅退院されているが,16日から30日以内の患者に関しては,移動がより自立度高いレベルでの退院であった.
運動器疾患患者の早期退院について,入院期間を決定する際の一つの指標になると考えられる.
回復期リハビリテーション病棟(以下 回復期リハ病棟)は,疾患により入院生活の上限が決まっている.短くて60日,最長で180日である.大腿骨,骨盤,脊椎,股関節もしくは膝関節の骨折,または2肢以上の多発骨折の発症後,または手術後の患者,股関節または膝関節の置換術後の状態である患者は90日である.その患者の中でも回復期リハ病棟を30日以内に自宅退院する患者がいる.
早期自宅退院患者に関して,入院期間の差における退院時のFunctional Independence Measure(FIM)の各項目の差を比較検証する.なお,本研究は倫理的配慮に遵守し実施した.
【方法】
令和4年9月1日から令和5年4月30日に退院した患者のうち,回復期リハ病棟の入院上限期間が90日の運動器疾患患者で30日以内に自宅退院した26名を対象とした.回復期リハ病棟の入院期間を15日以内と16日から30日以内に分け,退院時のFIM(運動項目)の各項目の点数との対応をMan-WhitneyのU検定を行った.分析にはEZRを用いて優位水準を5%とした.
【結果】
15日以内に退院した患者の入院時のFIM(運動項目)の点数は71.4点であり,退院時のFIM利得は7.9点であった.16日から30日以内の患者の入院時のFIM(運動項目)の点数は72.3点であり,退院時のFIM利得は14.5点であった. FIM効率は15日以内に退院した患者も16日から30日以内に退院した患者も0.7であった.
FIM(運動項目)の各項目に関しては,移動の項目において優位な差が認められ(p<0.05),その他の各項目には優位な差が認められなかった.
【考察】
回復期リハ病棟に入院している患者のうち,早期に退院する運動器疾患患者は一定程度見受けられる.その中でも15日以内に退院する患者と16日から30日以内に退院する患者では,FIM効率はどちらも0.7であり,FIMの移動の点数には有意な差が認められた.どちらの患者もADLは見守りから自立にて自宅退院されているが,16日から30日以内の患者に関しては,移動がより自立度高いレベルでの退院であった.
運動器疾患患者の早期退院について,入院期間を決定する際の一つの指標になると考えられる.