[PR-3-5] 我が国の作業療法士養成校における国際連携教育プログラムの実態
【はじめに】
一般社団法人日本作業療法士協会は「作業療法士教育の最低基準」改訂第4.1版のなかで,教育目標に「9) 作業療法の国際的な動向を理解し,将来国際的に貢献できる基礎的能力を身に付ける」 ことを掲げており,作業療法士養成校(以下,OT養成校)においても,諸外国の医療系専門職との協働・連携を行うことが可能なグローバル人材の育成が急務となってきている.しかしながら,我が国の作業療法士養成校における国際教育の実態はまだ不明な点が多い.そこで,本研究では今後の効果的な国際連携教育プログラムの開発に向けて,我が国のOT養成校がどのような国際連携教育プログラムを展開しているのか実態を把握するため,アンケート調査を用いて検証していく.
【目的】
本研究の目的はアンケート調査を通じて,今後の効果的な国際連携教育プログラムの検討のために我が国のOT養成校における国際連携教育プログラムの実態を知ることである.
【方法】
研究対象を日本作業療法士協会のホームページに掲載されている全国の作業療法士養成校206校を調査対象とし,2022年11月25日に研究依頼書および研究説明書を郵送した.
本研究は,2022年11月に文京学院大学保健医療技術学部研究安全倫理委員会で承認を受けている(承認番号2202-0002).アンケートについては,インターネットを用いたアンケートフォーム(Googleフォーム)を用いて実施した.調査への同意に関しては,アンケートフォーム内の冒頭部分に本研究の目的・方法および個人情報保護や倫理的配慮について明示した上で同意の有無を確認した.アンケート項目としては,養成校の形態と国際連携教育プログラムの有無,実施内容について聴取した.なお,本研究において開示すべき利益相反はない.得られたデータについては,記述統計分析を実施した.
【結果】
調査対象206校のうち,33校から回答があった(回収率:16%).作業療法学生が在学中に参加できる国際連携教育プログラムの有無を伺ったところ,33校のうち国際連携教育プログラムを実施していた養成校は「あり」が9校,「なし」が23校,「検討中」が1校であった.「あり」9件のプログラム実施内容に着目してみると,うち6件がオンラインを用いて実施しておりオンラインでの授業および学生交流が挙げられていた.うち3件は対面の実施で短期交換留学(英国・スウェーデン・オランダ)や長期留学(世界各国),カナダの作業療法士による2コマ授業が挙げられていた.
【考察】
国際連携教育プログラムを実施している養成校に着目するとオンライン形式・対面形式にて様々なプログラムを実施していることが分かった.本調査でオンライン形式が対面形式に比べて多かった理由としては,本調査を行ったのが2022年であり,COVID-19による社会情勢や感染症法上の位置づけが現在より厳しい状況にあったことが推測される.今後の課題として,本調査では回答率が16%であり,各養成校における国際連携教育の実態について十分な調査ができていない可能性が考えられる.また,COVID-19による社会情勢や感染症法上の位置づけが変更になった現在OT養成校の国際連携教育プログラムが多様化(対面・オンライン・ハイブリッド)していることも考えられる.そのため,今後も全国の養成校に対して国際連携教育プログラムの実施状況を聴取するとともに,効果的な国際連携教育プログラムの開発に向けて国際連携教育プログラムを実施しているOT養成校を対象に実施内容および教育効果についての調査を行っていきたいと考える.
一般社団法人日本作業療法士協会は「作業療法士教育の最低基準」改訂第4.1版のなかで,教育目標に「9) 作業療法の国際的な動向を理解し,将来国際的に貢献できる基礎的能力を身に付ける」 ことを掲げており,作業療法士養成校(以下,OT養成校)においても,諸外国の医療系専門職との協働・連携を行うことが可能なグローバル人材の育成が急務となってきている.しかしながら,我が国の作業療法士養成校における国際教育の実態はまだ不明な点が多い.そこで,本研究では今後の効果的な国際連携教育プログラムの開発に向けて,我が国のOT養成校がどのような国際連携教育プログラムを展開しているのか実態を把握するため,アンケート調査を用いて検証していく.
【目的】
本研究の目的はアンケート調査を通じて,今後の効果的な国際連携教育プログラムの検討のために我が国のOT養成校における国際連携教育プログラムの実態を知ることである.
【方法】
研究対象を日本作業療法士協会のホームページに掲載されている全国の作業療法士養成校206校を調査対象とし,2022年11月25日に研究依頼書および研究説明書を郵送した.
本研究は,2022年11月に文京学院大学保健医療技術学部研究安全倫理委員会で承認を受けている(承認番号2202-0002).アンケートについては,インターネットを用いたアンケートフォーム(Googleフォーム)を用いて実施した.調査への同意に関しては,アンケートフォーム内の冒頭部分に本研究の目的・方法および個人情報保護や倫理的配慮について明示した上で同意の有無を確認した.アンケート項目としては,養成校の形態と国際連携教育プログラムの有無,実施内容について聴取した.なお,本研究において開示すべき利益相反はない.得られたデータについては,記述統計分析を実施した.
【結果】
調査対象206校のうち,33校から回答があった(回収率:16%).作業療法学生が在学中に参加できる国際連携教育プログラムの有無を伺ったところ,33校のうち国際連携教育プログラムを実施していた養成校は「あり」が9校,「なし」が23校,「検討中」が1校であった.「あり」9件のプログラム実施内容に着目してみると,うち6件がオンラインを用いて実施しておりオンラインでの授業および学生交流が挙げられていた.うち3件は対面の実施で短期交換留学(英国・スウェーデン・オランダ)や長期留学(世界各国),カナダの作業療法士による2コマ授業が挙げられていた.
【考察】
国際連携教育プログラムを実施している養成校に着目するとオンライン形式・対面形式にて様々なプログラムを実施していることが分かった.本調査でオンライン形式が対面形式に比べて多かった理由としては,本調査を行ったのが2022年であり,COVID-19による社会情勢や感染症法上の位置づけが現在より厳しい状況にあったことが推測される.今後の課題として,本調査では回答率が16%であり,各養成校における国際連携教育の実態について十分な調査ができていない可能性が考えられる.また,COVID-19による社会情勢や感染症法上の位置づけが変更になった現在OT養成校の国際連携教育プログラムが多様化(対面・オンライン・ハイブリッド)していることも考えられる.そのため,今後も全国の養成校に対して国際連携教育プログラムの実施状況を聴取するとともに,効果的な国際連携教育プログラムの開発に向けて国際連携教育プログラムを実施しているOT養成校を対象に実施内容および教育効果についての調査を行っていきたいと考える.