[PR-5-3] 作業療法士学科学生における研究に対する意識
【問題と目的】
作業療法士は常に自己研鑽のため,専門領域技術の向上・開発を行わなければならない.そのためには研究による情報の公表をもって,作業療法の質を高めていくのである.しかしリハビリテーション職の実態調査より,日常の業務において研究活動を行う時間は,ゼロも含め1時間未満の回答が8割以上にものぼる.現在,作業療法士養成校では「作業療法研究法」という授業を設置しているところが多く,本研究の対象となった学校でも,必修科目として研究法の授業を実施している.本研究では作業療法士養成施設の学生を対象に研究についての意識を調査し,自己研鑽を向上させるための指標とする.
【方法】
対象者はT専門学校の作業療法士学科で作業療法研究法の授業を受講している2年次(3・4期生)の学生71人である.調査方法は作業療法研究法の授業終了後にアンケート形式で調査し,内容は「研究に興味がありますか」「将来研究をやりたいですか」などを5件法で行った.また,作業療法研究法の授業に対するやる気を100点満点で何点か回答してもらった.分析方法には,各質問に対する相関について分析を行った.なお,本研究に関してT専門学校の倫理委員会にて承認を受けている(承認番号 19-02).
【結果】
アンケート結果より,研究自体は重要であるかという質問に対し,6割近くの学生が重要だと考えている.また,研究に興味のある学生や将来作業療法士になってから研究に取り組みたいと思う学生は,少しあてはまるものも含めて4割程度であった.さらに,相関関係から研究に興味のある学生は授業単位でなくても取り組みたい意欲はあり,将来作業療法士になって研究を積極的にしたいという傾向にある.しかし,授業単位でなくても研究はやってみたいかという質問に対し,研究をしたいという回答よりしたくない回答の方が多かった.また,研究法の授業に対する意欲の度合いと研究に興味はあるかという質問の相関関係は低い相関でとどまった.
【考察】
結果より,当校の作業療法研究法の授業から研究に関する意識について,研究に興味のある学生は授業でも将来においても積極的に行いたいという傾向だが,授業における研究法には意欲的でない生徒も比較的多い.本研究より,学生たちは研究の発展が今後の作業療法の治療にも役立つことは理解しているため,研究の重要さを感じている.しかし学生の時分では,研究をする自分がイメージできない学生が多いと考える.学生時代は治療法の勉強や国家試験合格のための知識の獲得が優先され,研究にはあまり重きを置かず,とりあえず必修科目である授業の単位のために取り組むという程度であるかもしれない.そして,実際に作業療法士になってから,自分のスキルアップのため,研究に取り組む意欲が上がるのではないかと考えられる.今後学生時代において研究活動の意欲を高めるためには,より多くの人に見てもらう発表の場を設けることも必要であると考える.
作業療法士は常に自己研鑽のため,専門領域技術の向上・開発を行わなければならない.そのためには研究による情報の公表をもって,作業療法の質を高めていくのである.しかしリハビリテーション職の実態調査より,日常の業務において研究活動を行う時間は,ゼロも含め1時間未満の回答が8割以上にものぼる.現在,作業療法士養成校では「作業療法研究法」という授業を設置しているところが多く,本研究の対象となった学校でも,必修科目として研究法の授業を実施している.本研究では作業療法士養成施設の学生を対象に研究についての意識を調査し,自己研鑽を向上させるための指標とする.
【方法】
対象者はT専門学校の作業療法士学科で作業療法研究法の授業を受講している2年次(3・4期生)の学生71人である.調査方法は作業療法研究法の授業終了後にアンケート形式で調査し,内容は「研究に興味がありますか」「将来研究をやりたいですか」などを5件法で行った.また,作業療法研究法の授業に対するやる気を100点満点で何点か回答してもらった.分析方法には,各質問に対する相関について分析を行った.なお,本研究に関してT専門学校の倫理委員会にて承認を受けている(承認番号 19-02).
【結果】
アンケート結果より,研究自体は重要であるかという質問に対し,6割近くの学生が重要だと考えている.また,研究に興味のある学生や将来作業療法士になってから研究に取り組みたいと思う学生は,少しあてはまるものも含めて4割程度であった.さらに,相関関係から研究に興味のある学生は授業単位でなくても取り組みたい意欲はあり,将来作業療法士になって研究を積極的にしたいという傾向にある.しかし,授業単位でなくても研究はやってみたいかという質問に対し,研究をしたいという回答よりしたくない回答の方が多かった.また,研究法の授業に対する意欲の度合いと研究に興味はあるかという質問の相関関係は低い相関でとどまった.
【考察】
結果より,当校の作業療法研究法の授業から研究に関する意識について,研究に興味のある学生は授業でも将来においても積極的に行いたいという傾向だが,授業における研究法には意欲的でない生徒も比較的多い.本研究より,学生たちは研究の発展が今後の作業療法の治療にも役立つことは理解しているため,研究の重要さを感じている.しかし学生の時分では,研究をする自分がイメージできない学生が多いと考える.学生時代は治療法の勉強や国家試験合格のための知識の獲得が優先され,研究にはあまり重きを置かず,とりあえず必修科目である授業の単位のために取り組むという程度であるかもしれない.そして,実際に作業療法士になってから,自分のスキルアップのため,研究に取り組む意欲が上がるのではないかと考えられる.今後学生時代において研究活動の意欲を高めるためには,より多くの人に見てもらう発表の場を設けることも必要であると考える.