[PR-9-6] 当院作業療法部門における臨床実習の現状と課題
【はじめに】「第5回理学療法士・作業療法士養成施設カリキュラムなど改善検討会」で,PTやOTの養成校におけるカリキュラムが改定された.この改定で実習指導者(以下,指導者)に求められる要件もPT・OTの免許を取得して3年以上従事している者から5年以上従事している者,かつ厚生労働省が指定する「臨床実習指導者講習会等」を修了している者に変更された.要件の変更により,実習生の受け入れ数に変更ない施設は1人の指導者への負担が大きくなっている実態がある.当院は2008年から診療参加型臨床実習を導入し,実習生に対する客観的臨床能力試験(以下,OSCE),経験の偏り防止のため当院独自の経験チェックリストの活用などを行ってきた.それにより他施設よりも実習生指導には長けていると思われる.しかし,養成校独自の経験チェックリストが準備されていることが一般的になっており,実習前にOSCEを行う養成校の増加など変化している.当院と同じように実習指導を担えるスタッフ数の減少による課題,実習指導者教育が十分でない,実習指導の流れやマニュアル変更など課題を抱えている施設が多くあると思われる.そこで今回当院OT部門における臨床実習の現状と課題,課題解決の取り組みについて報告する.本研究は当院倫理委員会の承認を得ている(船K−2023−22).
【現状】
実習指導の流れ:実習開始前に部門長が養成校の実習指導者会議に参加した内容を指導者に申し送る.指導者が初めて臨床実習指導を担う場合は部門長が当院の実習指導手引きに合わせてオリエンテーションを実施.OSCEを1週目に実習生の現状把握と目標立案目的に実施し,最終週に再度実習生の成長を確認する目的で実施.当院は実習生に養成校から求められる課題のみ課している.実習時間内にデイリーノート作成やチェックリスト記載などの時間を40~60分,指導者からのフィードバック(以下,FB)を20分組み込んでいる.当院独自の経験チェックリストは活用せず,養成校独自のチェックリストを活用.実習終了後に養成校でレジュメなどを用いた学内発表がある場合,実習生の希望に応じて院内発表の機会を設けている.
指導者数と受け入れ実習数:2024年2月8日時点で当院に所属するOTは58名.OT免許を取得して5年以上従事しており「臨床実習指導者講習会等」を修了しているOTは19名.2023年4月1日~3月31日(予定含め)の期間で11の養成校から実習生24名を受け入れ,その内20名が5年以上かつ講習会修了した指導者が対応する必要があった.
【取り組み】
アンケート調査:5年以上かつ講習会を修了し,要件変更後に実習指導を経験しているOTに当院の実習指導についてアンケート調査を実施.対象となったOTは13名でその内12名から回答あり.実習指導で負担な点は,レポートなどの資料チェック,実習生のスケジューリング,成績表の記載,養成校毎の様々な取り決めや書類の相違であった.当院の実習指導で改善して欲しい点は,業務内に資料チェック時間の確保,スケジューリングのサポート,レポートなどのFBが必要な時期はFB時間を増やして欲しいであった.
OSCE内容の変更:当院回復期病棟に所属する臨床経験1年目で養成校にてOSCEを経験したOTに当院で実習生に実施しているOSCE内容を確認してもらい,改善点を聴取し,OSCE内容を変更した.
【今後の課題】スタッフへのアンケート調査から実習指導者の負担が軽減するよう成績表の記載時間確保,スケジューリングのサポート,1人の指導者が担当する養成校を限定するなど対応していく.臨床実習は実習施設だけで取り組む課題ではないため,養成校と連携し,今後も当院の実習指導をブラッシュアップしていく.
【現状】
実習指導の流れ:実習開始前に部門長が養成校の実習指導者会議に参加した内容を指導者に申し送る.指導者が初めて臨床実習指導を担う場合は部門長が当院の実習指導手引きに合わせてオリエンテーションを実施.OSCEを1週目に実習生の現状把握と目標立案目的に実施し,最終週に再度実習生の成長を確認する目的で実施.当院は実習生に養成校から求められる課題のみ課している.実習時間内にデイリーノート作成やチェックリスト記載などの時間を40~60分,指導者からのフィードバック(以下,FB)を20分組み込んでいる.当院独自の経験チェックリストは活用せず,養成校独自のチェックリストを活用.実習終了後に養成校でレジュメなどを用いた学内発表がある場合,実習生の希望に応じて院内発表の機会を設けている.
指導者数と受け入れ実習数:2024年2月8日時点で当院に所属するOTは58名.OT免許を取得して5年以上従事しており「臨床実習指導者講習会等」を修了しているOTは19名.2023年4月1日~3月31日(予定含め)の期間で11の養成校から実習生24名を受け入れ,その内20名が5年以上かつ講習会修了した指導者が対応する必要があった.
【取り組み】
アンケート調査:5年以上かつ講習会を修了し,要件変更後に実習指導を経験しているOTに当院の実習指導についてアンケート調査を実施.対象となったOTは13名でその内12名から回答あり.実習指導で負担な点は,レポートなどの資料チェック,実習生のスケジューリング,成績表の記載,養成校毎の様々な取り決めや書類の相違であった.当院の実習指導で改善して欲しい点は,業務内に資料チェック時間の確保,スケジューリングのサポート,レポートなどのFBが必要な時期はFB時間を増やして欲しいであった.
OSCE内容の変更:当院回復期病棟に所属する臨床経験1年目で養成校にてOSCEを経験したOTに当院で実習生に実施しているOSCE内容を確認してもらい,改善点を聴取し,OSCE内容を変更した.
【今後の課題】スタッフへのアンケート調査から実習指導者の負担が軽減するよう成績表の記載時間確保,スケジューリングのサポート,1人の指導者が担当する養成校を限定するなど対応していく.臨床実習は実習施設だけで取り組む課題ではないため,養成校と連携し,今後も当院の実習指導をブラッシュアップしていく.