[PRL-1] 作業療法の効果を最大化する知識・技術・環境を問う
コロナ後の生活、医療DXの推進、リハ工学の発展など我々の生活に関わる様々な変化が急速に進んでいる。作業療法は人々の生活を支援する専門職であるために、生活に密着するこれらの変化に対応した役割や効果を考える必要がある。コロナ感染症の流行は、インターネットを利用したコミュニケーション手段の普及やSNSによる情報発信の促進、在宅勤務や旅行控えといった外出機会の減少など我々の生活スタイルを大きく変えた。この変化はコロナ禍後にも影響し、野村総合研究所が2023年12月に約3000人に行った「生活者年末ネット調査」では、「コロナ禍以前の生活状態に戻った」と回答したものが34%であり、2/3程度の人はコロナ禍以前の生活には戻っていないことを報告している。また、医療DXの推進は、多くの医療情報の共有が促進され、収集した保健医療データを適切に分析し、有効な治療やサービスが提供できる医療従事者が必要となってきている。更に、リハ工学の発展はロボットの福祉機器への応用や新たな治療機器の開発などが進み、これらの技術の理解と対象者への適応に関する新な知識の蓄積と実践も求められている。
この様な現状理解のもとで作業療法ではどのような効果を対象者に示すことができるのかは、今後の作業療法の発展には重要な課題となる。今回の講演ではこれまでの作業療法の歴史の中で培われた知識や技術・環境設定を概観すると伴に、今後どのような発展が期待されるのかという事について私見を述べる。
この様な現状理解のもとで作業療法ではどのような効果を対象者に示すことができるのかは、今後の作業療法の発展には重要な課題となる。今回の講演ではこれまでの作業療法の歴史の中で培われた知識や技術・環境設定を概観すると伴に、今後どのような発展が期待されるのかという事について私見を述べる。