[IS6-1] エコーが嚥下障害や誤嚥性肺炎の診療を変える
古屋 聡(山梨市立牧丘病院)、白石 吉彦(隠岐広域連合立隠岐島前病院)
[開催の目的]
嚥下障害や誤嚥性肺炎の診療時にエコー(超音波診断装置)を使えるようになることです。
[概要]
エコーによる検査は、侵襲が少なくて、簡便で、医師以外の職種にも可能な検査であり、医療現場において広く用いられています。さらに現在では小型化・高性能化がすすんで、ポータブルで画像のきれいな機種が多々発売になって現場に出ていますが、現在の嚥下機能 評価においては、まだまだ普及していません。 現在の超高齢社会では、病院においても、施設においても、在宅においても、嚥下障害や誤嚥性肺炎の高齢者を診察する機会が少なくありませんが、水飲みテスト、フードテスト、頸部聴診法、パルスオキシメーターなどの嚥下機能評価のスクリーニングテストは、医師自身で行わずに看護師や言語聴覚士など他職種の評価にお任せにしがちです。いっぽう嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査といったゴールドスタンダードとなる検査は重要ですが、透 視室での実施が必要、ファイバー挿入下といった不自然な状況での評価という問題点があります。 エコーは舌やオトガイ舌骨筋といった嚥下関連筋の筋肉量も測ることができ、筋肉や舌の「質」も一定の評価ができ、さらに筋肉や器官の動きも評価できるので、サルコペニアおよ びオーラルフレイルの診断に資することができます。さらに喉頭蓋谷や梨状窩の残留、誤嚥の有無についてもある程度、評価が可能で、病院のベッドサイドや在宅で、簡便に多職種による嚥下機能評価ができ、さらに肺炎の診断自体もできるので、嚥下障害や誤嚥性肺炎の診療を大きく変える可能性があります。本企画では、エコーがフレイル・サルコペニア 診療に関わる意義につき若林が講義し、運動器エコーに取り組んできた、白石・古屋が、エコーでの嚥下機能評価の講義とデモンストレーションを行います。明日からの嚥下機能評価を広い視野でエコーで行えるようになることが目標です。
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