会長挨拶
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会長 清水 淳一 (東京都済生会中央病院 薬剤部) |
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この度、第6回日本くすりと糖尿病学会学術集会を東京都品川区の星薬科大学で開催させていただくことになりました。
本学会も6回目を迎え、第1回、第2回を開催した東京の会場に再び戻ってまいりました。当初東京で開催していた学術集会では、関係の先生方が全国から集まり知恵を出し合っておりました。ある意味全国の力を東京に結集して開催していたと言えます。今回の組織委員会・プログラム委員会は東京の先生方を中心に組織されましたので、その意味では東京発で行う初めての学術集会かもしれません。
第6回の学術集会のメインテーマは、「実験室から在宅へ 在宅から実験室へ」といたしました。地域包括ケアシステム構築の中、薬剤師はどのようにしたらいいかを考えたとき、薬剤師は他の医療職に比べ幅広い職種があることに気が付きました。保険薬局薬剤師、病院薬剤師、大学で教育や研究に携わる薬剤師、なかでも製剤研究は薬学部だけが学ぶ学問です。この他、保健所に勤務する薬剤師、企業のMRや開発・研究に携わる薬剤師、後発医薬品の原料を輸入する会社にももちろん薬剤師はおります。病病連携や病診連携、病薬連携にととまらずさらに枠を広げ、高齢化が進む現代に対応した製剤的工夫を医療の現場からMRや開発担当者を通して企業の実験室に持ち込み考えていただく。また、投与法に関しても問題点があれば臨床現場と薬学部との共同研究を実施することにより、薬学部の研究室とも問題を共有し、基礎のデータや研究を実施し、それぞれの患者さんに合わせた投与法を考えていただく。このような連携が可能であると感じています。また、後発医薬品の品質を考える上で原料の質や供給体制は必ず考慮しなければいけない項目だと思います。実験室から新しい薬剤が生み出されるいわゆる創薬から、生み出された薬剤を臨床の現場で適正使用し、より効果的な使用法や問題点を見つける育薬にかかわる。この一連のPDCAサイクルを回せることが薬剤師の強みであるとも感じています。
本学術集会では、特別講演、教育講演、シンポジウムを通して参加された先生方がスキルアップできるような企画を考えております。また、一般演題では口演、ポスター発表それぞれで優秀演題を選出し、閉会式で表彰することを予定しています。糖尿病の薬物治療にかかわる多くの先生方と今後の糖尿病の薬物治療についてご一緒に考える2日間にしたいと思います。
会場のすぐそばには、東京で一番長い商店街「戸越銀座商店街」も控えております。日本で初めて「○○銀座」と名乗った町でもあり、いつも活気にあふれています。同じ志を持った人に出会い、くすりと糖尿病をテーマに活発なご討論を行っていただければ幸いに存じます。
