日本地球惑星科学連合2014年大会

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インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS01_30PO1] Extreme Weather in Cities

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*真木 雅之(鹿児島大学地域防災教育研究センター)、松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻)、小司 禎教(気象研究所気象衛星・観測システム研究部第2研究室)、中谷 剛(独立行政法人 防災科学技術研究所)

18:15 〜 19:30

[AAS01-P01] GPS気象学による熱帯域におけるメソγスケール対流現象の研究

*松田 貴文1 (1.京都大学大学院理学研究科)

キーワード:GPS気象学, 局所的豪雨, メソγスケール対流, 熱帯域, インドネシア

インドネシア等の熱帯域では、雨季に入ると夕方頃にスコールと呼ばれる豪雨を伴った突風が頻発し、住民生活に大きな影響を与えている。特にスコールに伴う豪雨に関して、数kmの範囲に短時間で大雨をもたらす局所的豪雨は現在では正確な予報が難しい。そのため、局所的に豪雨をもたらすメソγスケールの対流現象の発生・発達メカニズムを解明することが重要である。
「GPS気象学」は衛星測位電波の大気遅延による「測位誤差」から水蒸気等の「大気情報」を得る大気計測法である。この手法により可降水量(PWV、天頂方向の水蒸気積算量)が高い時間分解能で推定できる。メソスケール対流現象による降雨の発生は、GPS気象学手法により推定したPWV(GPS-PWV)の時間変動および空間的非一様性と良く相関していることがわかっている。
本研究の目的は、熱帯域におけるメソγスケール対流現象を、特にGPS-PWVに着目して解明することである。
そこで我々は、インドネシアのバンドンで2013年の雨季に実施されたキャンペーンにおいて観測されたGPS-PWVデータ、ラジオゾンデデータ、降雨量データの解析を行った。
ラジオゾンデ測定による可降水量を解析することによりGPS-PWVの精度検証を行った。降雨量を解析した結果、夕方頃に降水する頻度が高いことがわかった。また、降雨が発生した場合にはPWVの増加がみられることを確かめた。また、午前中にPWVが減少し極小値を示し、夕方頃にPWVが増加し極大値を示すという、PWVの一日周期の変動がみられることが確認された。
しかし、各観測点には1000m以上の標高差があり、GPS-PWVにその影響が強く出ている。そのため、GPS-PWVの空間的非一様性を考察するには、標高差補正が必要となる。