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[AAS22-14] 能登半島における新粒子生成イベントの観測
キーワード:大気エアロゾル, 新粒子生成, Condensation Sink, 降水, 季節変化
新粒子生成は、雲凝結核となりうる大気エアロゾル粒子の個数濃度を増加させる重要な供給源の一つであり、地球上の気候に重要な影響力を持っている。能登半島にある大気観測サイトNOTOGROにおいて、2012年10月から2013年9月にかけて、大気エアロゾル粒径分布の観測が行われた。これは長期間にわたって日本海沿岸地域における新粒子生成イベントを観測した数少ない報告となる。観測した新粒子生成イベントは、既存粒子数濃度を表すパラメータであるCondensation Sink(CS)が相対的に低下した時に発生する傾向がみられた。気象条件と比較すると、イベントは日射のある時間帯に集中的で、冬季と夏季には降雨によって既存粒子数濃度が低下することが引き金となる傾向がつよい。一方、秋季と春季に観測されたイベントは相対湿度が著しく低い日に集中的に観測された。以上のことから、新粒子生成イベントが起きやすい条件が、冬季には冬季季節風、夏季には梅雨と台風、秋季と春季には移動性高気圧というふうに、観測地域の気候の季節変化の特徴と密接に関係しているものと考えられる。