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[AAS22-P09] 西部北太平洋及びベーリング海上における黒色炭素エアロゾルの船上観測
キーワード:ブラックカーボン, 混合状態, レーザー誘起白熱法, 船舶観測, 海洋大気
大気中の黒色炭素エアロゾル(Black carbon; BC)は、太陽光を効果的に吸収し、また雲凝結核としても機能することから、地球の放射収支に多大な影響を与えており、大気化学研究において、最重要物質の一つであると考えられている。[1] 低濃度であることが予想される外洋上でのBC濃度の測定例は測定法の限界から限られていた。近年、レーザー誘起白熱法に基づくBC単一粒子計測器(SP2, Droplet Measurement, Inc.)の開発により、高精度なBC濃度の計測が行われている。[2] 本研究では、2013年8月に実施された研究船「みらい」の研究航海MR13-05 (東経141-194度、北緯41-58度) でSP2を用いて得られた外洋上でのBC濃度・混合状態について発表する。
日本近海(東経145度以東) では陸域からの空気塊の輸送により、BC質量濃度は〜200 ng m-3まで上昇したが、西部太平洋・ベーリング海上では< 〜40 ng m-3と低濃度であった。SP2で得られる信号波形を基にBC粒径別混合状態を「薄く被覆した/被覆なし」、「厚く被覆あり」、「非コアシェル型」の3種に分類した。薄く被覆した/被覆なしのBC粒子は、西部太平洋・ベーリング海上では〜13%であった。外洋上では厚く被覆されたBC粒子が支配的(〜80%)であった。非コアシェル型BCは量的には少ないが外洋上でも優位に存在していることがわかった。発表ではより詳細な解析結果を示す。
References
[1] Bond et al., J. Geophys. Res., 118, 5380-5552, doi:10.1002/jgrd.50171, 2013.
[2] Schwarz et al., Geophys. Res. Lett., 37, L18812, doi:10.1029/2010GL044372, 2010.
日本近海(東経145度以東) では陸域からの空気塊の輸送により、BC質量濃度は〜200 ng m-3まで上昇したが、西部太平洋・ベーリング海上では< 〜40 ng m-3と低濃度であった。SP2で得られる信号波形を基にBC粒径別混合状態を「薄く被覆した/被覆なし」、「厚く被覆あり」、「非コアシェル型」の3種に分類した。薄く被覆した/被覆なしのBC粒子は、西部太平洋・ベーリング海上では〜13%であった。外洋上では厚く被覆されたBC粒子が支配的(〜80%)であった。非コアシェル型BCは量的には少ないが外洋上でも優位に存在していることがわかった。発表ではより詳細な解析結果を示す。
References
[1] Bond et al., J. Geophys. Res., 118, 5380-5552, doi:10.1002/jgrd.50171, 2013.
[2] Schwarz et al., Geophys. Res. Lett., 37, L18812, doi:10.1029/2010GL044372, 2010.