日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS22_1PO1] 大気化学

2014年5月1日(木) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*竹川 暢之(東京大学先端科学技術研究センター)、澤 庸介(気象研究所地球化学研究部)、金谷 有剛(独立行政法人海洋研究開発機構地球環境変動領域)、高橋 けんし(京都大学生存圏研究所)、谷本 浩志(国立環境研究所)

18:15 〜 19:30

[AAS22-P27] MAX-DOAS法による大気汚染物質の水平分布観測

*倪 聞涛1入江 仁士1陳 誠1高村 民雄1KHATRI Pradeep1 (1.千葉大学)

キーワード:MAX-DOAS, 仰角オフセット, 鉛直分布, 対流圏積算量, スラントカラム濃度

2012年6月に我々は千葉大学にMAX-DOAS装置を設置し、それ以来、連続観測を実施している。MAX-DOAS法は複数の仰角で太陽散乱光の紫外可視域のスペクトルを測定し、それらを放射伝達モデルやインバージョン法を利用してエアロゾル・ガス成分の鉛直分布/対流圏積算量を算出する手法である(Irie et al., 2008, 2009; Vlemmix, 2010)。本研究ではまず、MAX-DOAS装置で測定したエアロゾル光学的厚さ(AOD)のデータとスカイラジオメーターのデータを比べて、一致性を調べた。両者は概ね30%以内で一致したことが分かった。次に、2台の装置(1号機、2号機)を同じ場所に同じ方位に向けて設置し、同時観測を実施した。両方の装置とも、460-490 nmおよび338-370 nmの波長範囲をDOAS法で解析し、O4(O2-O2; 酸素分子の衝突錯体)の差分スラントカラム濃度(DSCD)を導出した。仰角の系統的誤差が及ぼすO4 DSCD値への影響を定量化するために、2号機の仰角設定に±0.5度、±1.0度のオフセットを与えた実験を行い、1号機と2号機のO4 DSCD値の比較を行った。相関解析等による詳細な比較を行ったところ、O4 DSCD値は概ね20%以内で一致した、±0.5度程度の小さなオフセットによって有意な系統的な影響が認められないことが分かった。このような詳細な誤差評価を踏まえ、2013年12月より、1号機を北、2号機を西に向けた水平分布観測を実施している。本講演ではその結果についても議論する。