17:40 〜 17:55
[AAS23-P02_PG] 波長266 nmのレーザーを用いた水蒸気ラマンライダーの開発
ポスター講演3分口頭発表枠
水蒸気は、雲・降水過程を通じて、気象水災害の要因となる局所的で時間変動が激しい大気現象に寄与する物質として知られている。本研究グループでは、水蒸気の時空間変動を捉えるための複数のラマンライダーを開発してきた。ラマンライダーでは、物質ごとに特有の周波数シフトを示す微弱なラマン散乱光を検出する必要があるため、背景光雑音の大きさが水蒸気の推定精度に強く影響する。現在までに構築したライダーは、光源として波長532 nmと355 nmのレーザーを使用しており、主に太陽光の影響が少ない夜間の観測に適用してきた。
本研究では、Nd:YAGレーザーの4倍高調波となる波長266 nmのレーザーを用いた水蒸気ラマンライダーを開発する。波長300 nm以下では、ほとんどの太陽放射が成層圏のオゾン層によって吸収されるため、この波長領域では、太陽光に起因する背景雑音の影響をほぼ無視することができる。これにより昼夜連続の観測が可能となる。受光系は、口径25 cmの望遠鏡と分光検出器で構成され、エアロゾルと空気分子からの弾性散乱(波長266.1 nm)、窒素振動ラマン散乱(波長283.6 nm)、水蒸気振動ラマン散乱(波長294.6 nm)の信号を取得する。発表では、システムの概要と、水蒸気計測の初期解析結果について紹介する。
本研究では、Nd:YAGレーザーの4倍高調波となる波長266 nmのレーザーを用いた水蒸気ラマンライダーを開発する。波長300 nm以下では、ほとんどの太陽放射が成層圏のオゾン層によって吸収されるため、この波長領域では、太陽光に起因する背景雑音の影響をほぼ無視することができる。これにより昼夜連続の観測が可能となる。受光系は、口径25 cmの望遠鏡と分光検出器で構成され、エアロゾルと空気分子からの弾性散乱(波長266.1 nm)、窒素振動ラマン散乱(波長283.6 nm)、水蒸気振動ラマン散乱(波長294.6 nm)の信号を取得する。発表では、システムの概要と、水蒸気計測の初期解析結果について紹介する。