日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC32_29PM1] 氷床・氷河コアと古環境変動

2014年4月29日(火) 14:15 〜 16:00 419 (4F)

コンビーナ:*川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)、池原 実(高知大学海洋コア総合研究センター)、竹内 望(千葉大学)、阿部 彩子(東京大学大気海洋研究所)、小端 拓郎(国立極地研究所)、座長:竹内 望(千葉大学)、川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)、小端 拓郎(国立極地研究所)

14:15 〜 14:30

[ACC32-01] デジタル画像処理を用いたキルギス天山山脈グレゴリア氷帽アイスコアの氷結晶粒径に関する研究

*松橋 勇太1藤田 耕史1竹内 望2ウラジミール B アイゼン3 (1.名古屋大学大学院、2.千葉大学、3.アイダホ大学)

キーワード:アイスコア, 結晶粒径, グレゴリア氷帽

極域の氷床アイスコア中の氷結晶粒径の成長は、ダストなどの不純物が多く含まれることにより阻害されることが知られている。一方、中緯度の氷河で得られたアイスコアに含まれる不純物濃度は、氷床アイスコアと比較して高い濃度を示すことが知られているが、氷結晶粒径の成長に対して、どのような影響を及ぼしているかについてはわかっていない。本研究では、2007年にキルギス天山山脈グレゴリア氷帽にて掘削されたアイスコアを用い、中緯度地域における氷結晶粒径の成長と不純物の関係を明らかにすることを目的とした。本研究では、アイスコアから薄片(0.4mm厚)を作成し、薄片に対する偏光板の角度を変えた(0°、30°、60°)、3枚の画像を撮影した。 結晶粒界を画像処理により自動抽出するため、薄片写真の2値化画像を作製し、さらに写真のコントラスト、RGBを調節した画像を複数枚重ねることで、すべての結晶粒界を抽出することができた。これらの手順により、目視よりも短時間で精度よく結晶粒界を抽出することが可能となった。このようにして得られた結晶粒界から粒径を自動算出し、ダストなどの濃度と比較を行う。発表では、解析手法の紹介とともに、ダスト濃度と比較した結果を報告する。