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[ACG06-15] 次世代GSMaPMWI降水リトリーバルアルゴリズム
キーワード:GSMaP, MWI, GPM, GCOMW, 降水リトリーバル
1.はじめに現状のGSMaP マイクロ波イメージャ(MWI)降水リトリーバルアルゴリズムは(Aonashi et.al 2009)、降水強度以外の物理量のMWI輝度温度(TB)への影響が大きい、弱い降水域でリトリーバル精度が低下する。この問題に対処するため、本研究は、MWI TBから、降水強度を含む各種物理量をリトリーブするアルゴリズムを開発する。このアルゴリズムの基本的考え方は、Elsaessar & Kummerow (2008)や、Boukabara et.al (2011) と同様に、Bayesの定理に基づき、MWI TBから物理量の統計的な最尤値を求めることである。本研究では、物理量の非線形函数であるTBから物理量をリトリーバルするために、アンサンブルに基づく変分法(EnVA)を採用する。このアルゴリズムは、降水域検出部分と、降水域に対して降水強度を含む物理量をリトリーバルする部分から構成される。今回は、降水域検出の部分について報告する。2.降水域検出部分の記述降水域検出の部分では、非降水を仮定し、解析変数として、海上では(地表面温度(Ts), 海上風速(SSW), 雲水量(CLWC)、可降水量(PWC))、陸上では(Ts, 地表面射出率(es))を選択した。EnVAは、その第1推定値として雲解像モデル(CRM)予報を使い、誤差共分散をCRMアンサンブル予報値から推定した。但し、Tsについては、観測データを元にした統計値を使う。また、陸上のesについては、名大データベースから作った統計値を使う。そして、EnVAが計算したMWI TBのinnovationやpost fit residualを使って、降水域の検出を行なった。