日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG36_30PO1] 北極域の科学

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*齊藤 誠一(北海道大学大学院水産科学研究院)、猪上 淳(国立極地研究所)、原田 尚美((独)海洋研究開発機構)、鈴木 力英(海洋研究開発機構 地球環境変動領域)

18:15 〜 19:30

[ACG36-P11] アラスカ・デナリハイウェイ沿いのパルサの発達史

*岩花 剛1内田 昌男2近藤 美由紀2吉川 謙二1ラリー ヒンズマン1 (1.アラスカ大学フェアバンクス校、2.国立環境研究所)

キーワード:アラスカ, デナリハイウェイ, パルサ

パルサは,連続および不連続永久凍土地帯の泥炭湿原に分布する多年凍結丘である.地中が凍結する際に形成される層脈状の析出氷晶による凍上現象が隆起の主要因である.上層部はピートに覆われ,下層は鉱物土を含む層になっており,堆積層の年代測定や凍土の地球雪氷学的特徴,パルサの内部構造から,周辺地域における氷河後退前後の環境変動に関する情報が得られることが期待される.対象のパルサは,アラスカ・デナリハイウェイ沿いに位置し,1957年に開通したハイウェイの建設によって削られ,内部構造が露呈していた.現在は約20m後退して完全な断面は見えないが,露頭の一部からある程度の内部構造情報が得られた.Pewe(1983)によってパルサと紹介され,底面ピートの年代測定から,この地域での氷河後退が少なくとも約10500年以前であったとした.本発表では, 6.5mのボーリングコアの分析と地温測定,露頭の観察から推測される対象パルサの発達史と環境変化について報告する.