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[ACG37-05] CINDY2011期間中に観測された急激なSST冷却と海洋ロスビー波との関係
キーワード:CINDY2011, SST冷却, インド洋
熱帯域において支配的な大気変動であるマッデン・ジュリアン振動(MJO)に伴う大気海洋変動メカニズムの解明を目的としたインド洋国際観測プロジェクトCINDY2011が2011年秋~2012年春に実施された。その中で研究船「みらい」は東経80.5度、南緯8度の中部南インド洋において約2ヶ月間の定点観測を行った。期間中、MJOに伴う大規模対流は10月下旬と11月下旬に発達し、11月事例での赤道南側の対流活動は北側に比べ1週間ほど遅れて活発化した。11月中旬、みらい観測において海洋表層の水温と塩分に急激な低下がみられた。この劇的な変化は、南インド洋を西進する海洋ロスビー波に伴う表層流の南西向きから西向き/西北西向きへの変化と関連していた。海洋混合層収支解析において、海面フラックスは海洋を暖める方向に働いており、今回の急激な冷却事例への寄与は小さかった一方で、水平移流は大きな役割を担っていた。一般的に暖水ロスビー波は水温躍層を押し下げ海面水温を高くする傾向にあるが、今回はロスビー循環に伴う移流の効果によって冷却をもたらしたと考えられる。また、この冷たい表層水温がMJO発達における初期対流を抑制し、赤道南側における対流オンセットの遅れにつながった可能性がある。