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[ACG37-15] ENSOの遷移システムの長期変化
キーワード:海面水温, 太平洋, エルニーニョ・南方振動, インド洋
エルニーニョ・南方振動 (ENSO)には、持続期間に有意な非対称が見られることが知られている。正位相から負位相への遷移は急速に進むのに対し、負位相から正位相への遷移は多くのイベントで停滞する。一方で、このENSOの非対称性には長期的な変化傾向が見られることが指摘されており、El Ninoの遷移性が1970年代以降と以降で特に強くなっている(McPhaden and Zhang 2009)。一方で、La Ninaの持続性は長期的には強化される傾向ではあるものの、それほど大きな変化がない。本研究では主に正位相時に注目し、i) El Ninoの振幅の変化(Wang 1995; Wallace et al. 1998)、ii)大気海洋基本場の変化(Deser et al. 2003; Timmmerman et al. 2003)、iii)外洋との結合強度の変化(e.g., Xie et al. 2010)がENSOの遷移性/持続性に与える影響とその寄与の割合を気候モデルを用いた実験により見積もり、ENSOの遷移プロセスの長期変化の原因を明らかにする。