日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW07_29AM2] Insight into change and evolution in hydrology

2014年4月29日(火) 11:00 〜 12:45 511 (5F)

コンビーナ:*谷 誠(京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻)、松四 雄騎(京都大学防災研究所 地盤災害研究部門 山地災害環境分野)、野口 正二(森林総合研究所)、中北 英一(京都大学防災研究所)、座長:中北 英一(京都大学防災研究所)、小杉 賢一朗(京都大学大学院農学研究科)

11:36 〜 11:51

[AHW07-09] 毎木調査による崩壊防止力二次元分布図の作成法

*阿辻 雅言1北原 曜2小野 裕2 (1.信州大学大学院農学研究科、2.信州大学大学院農学部)

キーワード:根系, 崩壊防止力, 人工林, 天然林, 二次元分布図

森林根系の崩壊防止力は土層の鉛直断面1m2あたりの引き抜き抵抗力の総和である。このうち引き抜き抵抗力は,根系直系の1.6乗程度に比例し,その係数は樹種により異なる。一方,根系量は立木中心から同心円状に分布し,立木からの距離に対して指数関数的に減少する。ここでは,この引き抜き抵抗力と根系分布から,地下を掘削することなく毎木調査による地上の情報から崩壊防止力の二次元分布図を作成したことを報告する。調査はヒノキ人工林3林分と広葉樹天然林1林分にてそれぞれ行い,毎木調査により得た立木位置と胸高直径のデータから崩壊防止力二次元分布図を作成し,検証のためにトレンチを掘削して計測した崩壊防止力と比較した。その結果,実測値と推定値は一致しなかったものの,両者の間には危険率1%で有意な関係が見られた。さらに,この手法を応用して崩壊防止力の時系列変化を推定した。崩壊防止力推定に必要なデータは立木位置と胸高直径のみであるため,密度管理曲線による成長予測と併せて用いることで間伐後の崩壊防止力変化なども推定できる。