日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW26_1PM1] 都市域の地下水・環境地質

2014年5月1日(木) 14:15 〜 16:00 424 (4F)

コンビーナ:*安原 正也(独立行政法人 産業技術総合研究所)、林 武司(秋田大学教育文化学部)、浅田 素之(清水建設株式会社)、滝沢 智(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)、鈴木 弘明(日本工営株式会社 中央研究所 総合技術開発部)、座長:安原 正也(独立行政法人 産業技術総合研究所)、滝沢 智(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)

15:45 〜 16:00

[AHW26-07] 地下水位上昇に伴う近年のバンコクの地盤変位

*石塚 師也1福島 洋2辻 健3山田 泰広1松岡 俊文1 (1.京都大学大学院 工学研究科、2.東北大学 研究推進本部、3.九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所)

キーワード:地下水位上昇, 地盤変動, バンコク, PS-InSAR解析

世界中の多くの地域では地下水の汲み上げに伴い、地下水位の低下や地盤沈下が観測されている。タイの首都バンコクでも、1960年代から経済発展に伴い、地下水の汲み上げ量は増加し、最大1m程度の地盤沈下が報告されていた。一方、タイ政府は、地盤沈下を鎮静化させるため、地下水使用規制等の施策を行い、近年では地下水汲み上げ量の低下及び地下水位の上昇が報告されている。本研究では、persistent scatterer SAR interferometry (PS-InSAR)と呼ばれる解析手法を用いて、2007年11月から2010年12月の約3年間の地盤変動量の推定と解釈を行った。PS-InSAR解析では、人工衛星に搭載されたSynthetic aperture radar (SAR)のマイクロ波の位相変化を用いて対象地域の地表変動を推定する手法であり、広域の時系列変動を高密度に推定できることに利点をもつ。解析の結果、バンコク中心部で年間1cm程度の隆起が推定された。この隆起傾向は年々減衰しており、指数関数で模擬できることが示唆された。隆起が確認された地域では地下水位の上昇が報告されていることから、観測された隆起は地下水位の上昇によるものと考えられる。さらに、バンコク東部では、季節性の変動(隆起と沈下)が推定された。この季節性の変動はバンコクの降雨量と相関をもつことから、降雨の帯水層への浸透により発生した変動と推測される。