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[AHW28-11] 沿岸帯森林流域における土砂流出特性とその要因 (2)
キーワード:森林流域, 土砂流出, 先行型, 遅れ型, 崩落
北海道・十勝地方沿岸には5つの潟湖が存在し、これらの幾つかは外海と湖を隔てる砂州が間欠的に決壊して湖水が流出する間欠開口型である.この湖沼群の水質・堆積状況は、開口による太平洋沿岸域への水質・堆積にも影響する。この研究では、潟湖群の一つである生花苗沼の流入河川流域(約88%が森林帯)における土砂流出の実態を、河川水の浮遊物質濃度C (m3/s)と河川流量Q (mg/L)の1時間データを用いて調べた。その結果、一連の降雨土砂流出では、浸食される土砂の量(sediment availability)に応じて,C~Q相関図上では時計回りループの先行型(CのピークCpがQのピークQpより先行して現れる),同時型(CpとQpが同時に発生),および反時計回りループの遅れ型(CpがQpに遅れて現れる)と変化することがわかった.この送流土砂の起源は、堆積物の積算粒度分布に対する限界掃流力理論の適用から、河道のほか森林流域土壌の30~40cm深で発生する飽和側方流による土壌浸食と考えている。これに加え、同流域には多くの断層があり、これにより崩落も盛んなため突発的な土砂流出イベントも観測された。