日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 B (地球生命科学) » B-AO 宇宙生物学・生命起源

[B-AO01_28AM2] Astrobiology: Origins, Evolution, Distribution of Life

2014年4月28日(月) 11:00 〜 12:41 502 (5F)

コンビーナ:*小林 憲正(横浜国立大学大学院工学研究院)、山岸 明彦(東京薬科大学生命科学部)、大石 雅寿(国立天文台天文データセンター)、田近 英一(東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)、掛川 武(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、井田 茂(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、座長:小林 憲正(横浜国立大学大学院工学研究院)、田近 英一(東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)

12:20 〜 12:35

[BAO01-P05_PG] 模擬海底熱水系におけるアミノ酸の安定性と反応

ポスター講演3分口頭発表枠

*赤松 亮太1バラサンティラン クーハン1大林 由美子2金子 竹男2小林 憲正2 (1.横浜国立大学大学院工学府、2.横浜国立大学大学院工学研究院)

キーワード:海底熱水系, アミノ酸, 生命の起源, フローリアクター

1970年代末の海底熱水噴出孔の発見は,生命起源研究に大きなインパクトを与えた。それまで,ミラーの実験などにより原始大気中での有機物生成の重要性が考えられていたが,惑星科学の進歩とともに,原始大気が強還元型でないと考えられるようになり,そのような環境下でのアミノ酸などの有機物の生成が限定的とみなされるようになったためである。海底熱水噴出孔では非還元的な地球を考えた場合でも局所的な強還元的な場を保持していると考えられ,有機物の生成・進化に有利と考えられた。さらに,マグマの熱による海水の加熱とそれが冷海水中に噴出することによる急冷,熱水中に溶け出した高濃度の金属イオンやシリカの触媒作用なども化学進化に有利に働くことが期待できる。
 海底熱水噴出孔での有機物進化の研究のため,室内模擬実験が多数行われてきた。初期の実験では,閉鎖系のオートクレーブが用い,種々の試料をガスで加圧後に加熱し,その生成物を調べることが多かった。しかし,オートクレーブでは,海底熱水噴出孔の大きな特色である,加熱された海水の急冷(quenching)の効果を検証することができない。そこで,海底熱水系のよりよい模擬のため,種々のフローリアクターが考案された。
 本研究では,海底熱水噴出孔での化学進化,特にアミノ酸の重合に関して,オートクレーブおよびフローリアクターを用い,それらの特性の比較とそれらの中でのアミノ酸重合物の生成の可能性の検証を行った。