日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-BG 地球生命科学・地圏生物圏相互作用

[B-BG21_1AM1] 熱帯ー亜熱帯沿岸生態系における物質循環

2014年5月1日(木) 09:00 〜 10:30 213 (2F)

コンビーナ:*渡邉 敦(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 情報環境学専攻)、藤田 和彦(琉球大学理学部物質地球科学科)、本郷 宙軌(琉球大学理学部物質地球科学科)、座長:渡邉 敦(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 情報環境学専攻)、藤田 和彦(琉球大学理学部物質地球科学科)、本郷 宙軌(琉球大学理学部物質地球科学科)

09:30 〜 09:45

[BBG21-03] 地球温暖化に伴う水温上昇が日本近海の藻場分布に及ぼす影響予測

高尾 信太郎1、*藤井 賢彦1熊谷 直喜2山野 博哉2山中 康裕1 (1.北海道大学大学院地球環境科学研究院、2.国立環境研究所)

キーワード:藻場, 地球温暖化, 気候予測モデル, カジメ, フタエモク

高解像度気候予測モデルMIROC4hによって得られた1950年から2035年までの海面水温の結果と、フタエモクおよびカジメに関する簡易生物指標を組み合わせることによって、日本近海の熱帯・亜熱帯性藻場と温帯性藻場が将来の地球温暖化にともなう水温上昇による影響評価を行った。1950年から2000年の再現実験の結果は、水温上昇により熱帯・亜熱帯性藻場は北上したこと、温帯性藻場の南限は北上したものの、北限の北上は見られなかったことを示した。RCP4.5シナリオに基づく将来予測結果は、高知県沿岸域では2010年代にカジメからフタエモクへの遷移が起こる可能性を示している。このような、温帯種から熱帯・亜熱帯種への藻場種の遷移は日本近海の沿岸域の生物生産性や食物連鎖網、ひいては生態系サービスの変化をもたらす可能性が示唆される。