日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT23_30PO1] 地球史解読:冥王代から現代まで

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*小宮 剛(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、加藤 泰浩(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)、鈴木 勝彦(独立行政法人海洋研究開発機構・地球内部ダイナミクス領域)

18:15 〜 19:30

[BPT23-P06] 海洋下部地殻における脱水素反応と生命活動

*安藤 祐美1 (1.埼玉大学 教育学部)

キーワード:原始生命, 蛇紋石化, 斑レイ岩

現在確認されている最古の生命化石は西オーストラリアのピルボラ地方にある、35億年前の海嶺熱水脈から見つかったものとされている。海底熱水脈中の古細菌(アーケア)は、海洋カンラン岩層の蛇紋岩化に伴う脱水素反応によって生成された、水素や硫化水素をエネルギー源としていたと考えられている。(東京工業大学 上野准教授)しかし、海洋地殻表層より7~8km以上深いカンラン岩層から発生した水素と古細菌活動域には深さ方向に大きなギャップが存在する。また、35億年前の海洋地殻は現在よりさらに厚い(50km以上)との研究結果もあるので、アーケアがエネルギー源とした水素は、カンラン岩層より上部から発生していた可能性が考えられる。
 中央海嶺の断裂により海洋地殻に進入した海水は下部地殻の斑レイ岩層で超臨界の熱水を形成している。斑レイ岩層にもカンラン石が含まれるので、カンラン石の蛇紋岩化に伴う水素形成はおこりうる。また、古細菌は熱水条件下でも安定に存在できるので斑レイ岩層内での熱水熱水に生息している可能性がある。 そこで、斑レイ岩層から岩石を採取し、分析を行っていく。