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[BPT26-11] 哺乳類4目それぞれで独自に進化的に保存された非コード領域の解析
キーワード:ゲノム, 哺乳類, 霊長目, 齧歯目, 偶蹄目, 食肉目
脊椎動物において進化的に保存された非コード配列 (CNS)は、タンパク質コード遺伝子の発現調節領域と密接に関連していると考えられている。われわれは、哺乳類の4目(霊長目、囓歯目、食肉目、鯨偶蹄目)について、CNSの個数とそれらのゲノム上の位置を調べた。CNSの定義にはタンパク質コード領域の保存についての2種類の閾値を用いた;すべてのコード領域塩基配列を用いる場合と、コドンの1番目と2番目だけを用いた場合。CNSの個数は系統によって異なっており、霊長類がもっとも多く、齧歯類がもっとも少なかった。これらのCNSは哺乳類ゲノム全体の1.3~5.5%であり、より祖先的なもののほうがより最近に生じたものよりも保存度が高かった。CNSは、齧歯類と霊長類では、食肉目と鯨偶蹄目の場合よりもイントロンにより多く存在していた。ヒトゲノムとイヌゲノムでは、順系相同なCNSの19%はゲノム上の異なった位置にあった。これら哺乳類の4目間のCNSの差は目独自の表現型を生じる原因になっている可能性がある。齧歯類でCNSの数が少ないのは、齧歯類内の多様性により遺伝子発現調節に関する進化的保存が少ないことを示唆する。霊長類のCNSは神経系に関与する遺伝子の近傍にクラスターすることが多くみられたので、霊長類の神経系の高度な複雑性に関与しているのかもしれない。この研究はすでにGenome Biology and Evolution (Babarinde and Saitou, 2013; vol. 5:2330?2343)に発表した。