日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT27_28PM1] 顕生代生物多様性の変遷:絶滅と多様化

2014年4月28日(月) 14:15 〜 16:00 213 (2F)

コンビーナ:*磯崎 行雄(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系)、澤木 佑介(東京工業大学大学院 理工学研究科 地球惑星科学専攻)、佐藤 友彦(東京大学大学院総合文化研究科)、座長:澤木 佑介(東京工業大学大学院 理工学研究科 地球惑星科学専攻)

15:45 〜 16:00

[BPT27-10] 南部北上帯ペルム系岩井崎石灰岩産の特異な低緯度型軟体動物群集とその意義

*磯崎 行雄1加瀬 友喜2 (1.東京大学大学院総合文化研究科宇宙地球科学教室、2.国立科学博物館)

キーワード:ペルム紀, 二枚貝, 巻貝, 南部北上帯, 南中国

東北日本南部北上帯の中部ペルム系上部岩井崎石灰岩から初めて巨大巻貝"Pleurotomaria" yokoyamiが産出した。小型の平旋回巻貝Porcellia sp.が随伴する。これらの巻貝化石の産出は極めて稀で,これまで西南日本の赤坂石灰岩からの産出報告があるのみである。赤坂石灰岩は超海洋パンサラサ中央の低緯度域で堆積した海山上の礁石灰岩がであるのに対し、岩井崎石灰岩は砕屑岩優勢の陸棚浅海で形成されたパッチ礁石灰岩からなる。岩井崎石灰岩から、赤坂と共通のユニークな巻貝群集、さらに巨大二枚貝や大型フズリナの産出が確認されたことから、同様に低緯度域で堆積したこと、さらには南部北上帯が南中国縁辺、すなわちその東北延長部をなしていたことが推定される。