日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-02_29PM1] 地球惑星科学のアウトリーチ

2014年4月29日(火) 14:15 〜 16:00 423 (4F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、座長:千葉 崇(筑波大学生命環境系)

14:45 〜 15:00

[G02-03] アウトリーチのためのゼラチンを使ったマグマの上昇・噴火実験

*高田 亮1 (1.産業技術総合研究所)

キーワード:アウトリーチ, 火山学, マグマ, 噴火, アナログ実験, 岩脈

噴火の原因は地下にあり,直接見ることができない.地球物理的手法が開発されているが,一般にはマグマのイメージをつかむことは難しい.そこで,地球を透明なゼラチンに置き換えて,マグマを油や飲料に置き換えた,シースルー実験を,小学生対象から大学教養程度まで使えるように開発している.本実験は研究用にも多くの実績がある.本論では,マグマの動きから噴火までの過程が見えるアナログ実験を紹介する.地殻とマグマの物性,スケールはすべて縮小されている.メカニズムにより縮小率が異なる難点があるが,大局的なイメージをつかむには問題ない.実験者は,注入する液体の物性,ゼラチンの物性,応力などを,あらかじめ調整でき,支配要因を考察することができる.ゼリーが透明なので,その中の液体の状況がリアルタイムですべて見ることができる.(1)静水圧下での,液体で満たされたクラックの上昇から噴火にいたる最も単純な実験.噴出直前に地殻変動に相当する変形も観測される.対象は小学生から理解できる.(2)?1:主応力軸の配置の変化.例えば,上昇中の液体で満たされたクラックに,容器に水平圧縮の応力をかけると,クラックが垂直から水平に変化する.(2)?2:応力勾配.水平方向の応力勾配をかけると斜め上に上昇する.垂直方向の応力勾配を変えると,クラックの上昇を制御できる.応力勾配は,密度差と同等の効果をクラックに与える.(3)?1:炭酸飲料ないし重曹+クエン酸を注入して,爆発的な噴出を行うと漏斗状の火口が形成される.(3)?2:液体をゆっくり注入すると,泡の部分と液体の部分が分離する.マグマの脱ガスのイメージである.液体とゼラチンの密度の差により,両者の分離する深さが異なる.(4)クラック同士の相互作用.クッラクが合体するが反発するかなどの実験を紹介する.(5)2相流体の注入により,密度と粘性の効果を調べる実験,(6)流体中の結晶の沈積のようすなどの多様なアイディアをうむ実験も紹介する.上記実験は,小中学校,山梨県環境科学研究所の学校教員向け研修,筑波大学などの大学の講義やJICA,APEC,COVなどの国際研修で実行されたので報告する.