15:15 〜 15:30
[G02-05] 奄美諸島,喜界島における第四紀ジオストーリーと教育プログラム
キーワード:第四紀, 石灰岩, ジオストーリー, ジオツアー, 喜界島, 奄美諸島
奄美諸島の喜界島において,第四紀を主題としたジオストーリーを構築し,それを用いた教育プログラムの開発と実践を試みた。琉球海溝に近い喜界島には,日本で最も隆起の著しい海成段丘がみられ,隆起の速度は1.8 m/kaに及ぶ。喜界島の景観から地球活動を理解するため,湧水,鍾乳洞,海成段丘,石灰岩(サンゴ石)を野外教材として選定し,これらを一連のストーリーで結びつけた。このストーリーは,第四紀石灰岩地域にみられるさまざまな地表景観から,自然地理学(地形学・水文学)的現象を読み解く視点を重視している。琉球大学の学生および地元の住民(高校生含む)を対象とした半日のジオツアーを3回実施し,各回の参加者に意見を求めてプログラムの改善に役立てた。ジオツアー参加者の意見を総合すると「日ごろから見慣れた地表景観をグローバルかつダイナミックな地球活動の中で考え直すきっかけになった」という趣旨のものが多くみられた。今後,学校教育・生涯教育における実用化が期待される。