日本地球惑星科学連合2014年大会

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セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-02_29PO1] 地球惑星科学のアウトリーチ

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)

18:15 〜 19:30

[G02-P03] 3Dプロッタとプロジェクションマッピングを用いた地質模型によるアウトリーチ:積層造型による地下構造の可視化

*芝原 暁彦1 (1.産業技術総合研究所 地質標本館)

キーワード:地質情報, 三次元モデル, 立体造形, プロジェクションマッピング, 3Dプロッタ, ジオパーク

近年、情報技術の発展に伴って誰もが手軽に地質情報を入手できるようになった。しかしながら地質の時間的・空間的広がりを掴むには専門的な知識が必要となり、直感的な理解が難しい。この問題を解決し、博物館やジオパークなどで地質情報をより効率的に発信するため、三次元造型機を用いた立体地質模型を開発し、研究成果の普及に役立つコンテンツを製作した。この模型は3Dプロッタと呼ばれる三次元造型機で造型した地形模型の表面に、地形図や地質図などの画像情報をプロジェクターで画像投影したものである。またプロジェクターのレンズ収差や光軸の歪みなどを補正するため、模型表面に厚さ約0.05~0.1mmの微細な等高線を造型し、そこへ同じデータソースから作成した等高線の画像を投影して詳細なキャリブレーションを行うことで、地形や地質の情報を正確に可視化している。現在、この立体模型をHiRP (Higyly realistic Projection)模型と呼称し、各地の博物館やジオパークでの運用を進めている。
 昨年の発表では模型の造型方法と、精密なプロジェクションマッピングを用いた模型表面への情報投影、そして各地の施設における試験的な運用について報告した。今回はこれに引き続き、2013年下半期におけるHiRP模型の運用状況について報告する。
また、ボーリングデータベース等をコンパイルして造型した、地下構造の情報を持つ積層型立体模型について紹介する。更にGISと連動することでユーザーが指定した領域の地質情報をポップアップで表示するインタラクティブな模型の開発と展示方法についても報告する。更に、三次元造型機の普及に関する現状と、地質情報のアウトリーチに関する今後の影響についても併せて報告する。