日本地球惑星科学連合2014年大会

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[G-02_29PO1] 地球惑星科学のアウトリーチ

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)

18:15 〜 19:30

[G02-P11] 2005年福岡県西方沖の地震と1982年長崎大水害の被害痕跡・史跡調査および散策マップ作り

*山田 伸之1園田 華1 (1.福岡教育大学教育学部)

キーワード:2005年福岡県西方沖の地震, 長崎大水害, 被害痕跡, 災害史跡

近年,日本各地で,地震災害や風水害などの自然災害に見舞われている。地震災害は,頻度は低いものの,2011年の東日本大震災のように広域的かつ複合的な災害になりやすい。また,風水害は局所的な災害であることが多いが,各地で発生しており頻度は圧倒的に高い。
そこで本研究では,開発や変化の著しい都市部での災害の履歴や教訓を伝えていく活動の一環として,過去の被災地において残されている痕跡や史跡の存在の有無を調査し,取りまとめることとした。対象とした災害は,頻度の高低の例として,山田・姫野(2013)で取り組まれた2005年福岡県西方沖の地震による地震災害に関する調査に加え,今回新たに1982年の長崎大水害とした。本発表では,これらの場所や内容をまとめ,災害の事実・歴史を伝える一手段として,さらに災害痕跡・史跡マップを作成したことを報告する。
2005年福岡県西方沖の地震に関しては,今回新たに踏査した24ヵ所のうち15ヵ所で地震被害の痕跡や史跡を確認でき,4ヵ所の震災当時と現在の状況比較をすることができた。これらの地点数は,これまでの山田・姫野(2013)に加え,計23ヵ所となった。一方,1982年長崎大水害に関しては,踏査した23ヵ所のうち,15ヵ所で史跡・痕跡を確認でき,5ヶ所で水害当時と現在の状況比較をすることができた。これらのものは,現在特段の扱いがなされているわけでもなく,時間とともに朽ちて忘れられていく恐れがある。今後も史跡・痕跡の調査を継続し,これらのマップ(散策マップとして)のアップデートを図るとともに,活用の検討をする必要がある。こうした一連の内容は,まだ発展途中でもあるが,両地域の災害史および災害跡を含め,さらなる情報の追加や表現方法の工夫によって,防災教育へのきっかけとして活用できると考えられる。
なお,この研究は,文部科学省科学研究費補助金(課題番号:25350206)の一部を活用いたしました。記して感謝いたします。