日本地球惑星科学連合2014年大会

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[G-02_29PO1] 地球惑星科学のアウトリーチ

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)

18:15 〜 19:30

[G02-P14] 防災教育に関する研究動向調査~論文タイトルからみた現状把握~

*山田 伸之1林 晋作1 (1.福岡教育大学教育学部)

キーワード:防災教育, 研究論文タイトル

2011年に発生した東日本大震災を経て,自然災害に対する防災教育の重要性や必要性の意識はさらに高まりつつある。この震災以降は,防災,特に防災教育に関する研究は,今まで以上に増えていくと考えられるが,これまでの防災教育研究はどうであったのかの実態をつかんでおくことは,今後の防災教育の内容や手法などの開発・改良の取り組みにも必要であると考えられる。そこで本研究では,これまでの防災教育に関する研究の現状を見極め,その実態を把握することを試みた。ここでは,研究内容をもっとも表現する一つといえ,また,検索も比較的しやすい研究論文のタイトルから,キーワード検索を行い,この傾向を示すことにした。
本研究では,査読付学術論文のタイトルをもとに,国内で防災教育に関する研究がどの程度実施されているのかを示すこととした。雑誌選定(19学会)の後,論文タイトル(14,711編)のリストを作成し,設定した防災教育に関連するキーワードを用いて,論文タイトルの照会を行った。設定したキーワードは,学校教育で防災訓練を行う際に用いられる「防災」「安全」「避難」や日本で自然災害を引き起こす可能性のある現象や関連事項として,理科の教科書にも一部記載されている「地震」「津波」「火山」「噴火」「台風」「洪水」「土砂」「竜巻」,さらに,直接的なものとして「防災教育」「安全教育」「地震教育」とした。照会の結果を学会ごと,キーワードごとに取りまとめ,考察を行った。
その結果,タイトル照会では,いずれの学会でも上記のキーワードがあまり用いられていない傾向にあった。また,キーワードごとにも違いがみられた。例えば,「防災教育」という単語については,実践的内容が多い傾向にあるため,論文の形にするのが難しく,結果的に数としては少なくなっているのではないかと考えられる。簡易的な取りまとめであり,かつ,ここで選択した学会誌やキーワードの設定などの妥当性の検討は必要であるが,こうした傾向と実態を把握することは,今度の防災教育の内容や手法の開発研究の一助になると考えられる。
なお,この研究は,文部科学省科学研究費補助金(課題番号:25350206)の一部を活用いたしました。関係者各位に記して感謝いたします。