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[G04-03] 高大連携スプライト多地点観測プログラム~10年間の活動から~
キーワード:高校生, 高大連携, 高校生天体観測ネットワーク, スーパーサイエンスハイスクール, 多地点観測, スプライト
高大連携の実践的教育プログラムとして、高高度放電発光現象(TLE)であるスプライト、エルブス等、高層大気中における特異な発光現象を、全国の高校生チームによって同時観測し立体構造を解明するプロジェクトを立ち上げ、高知工科大学が中心となって呼びかけることで、約10年間の高大連携活動を続けてきた。立ち上げ当初は、高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)の研究テーマの1つとして採用頂き、高感度CCDカメラ(Wat-100N)と動体検出ソフトウェア(UFOCaptureV2)の組合せによるスプライト観測マニュアルを執筆するなどして広報普及を図った。2006年度にはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定された高校を中心にSSHコンソーシアムに発展し、日本上空をほぼカバーする世界最大規模のスプライト観測網が高校理科教員と高校生の努力により構築された。その後もJSTの支援を受けつつ全国30校以上の参加規模まで拡大した。SSHコンソーシアム事業の終了後にも、本プロジェクトに集まった全国の高校は独自に会合を開き、ほぼ高校主体の活動として定着した。科学的成果も徐々に蓄積され、JpGUの高校生によるポスター発表セッションにおいても年間数件の発表が継続されてきており、国際会議AOGS, COSPARの教育・アウトリーチ関連セッションにも、高校生から活動報告がなされてきた。研究成果の一部として、世界初のエルブスの同時観測の成功と三次元構造の解明、世界で10例程度しかない巨大ジェットの複数例の同時観測に成功、3000件以上のTLE観測の蓄積などがある。本プロジェクトにより全国の高校理科教員間のコラボレーションが確立し、サイエンスデータを生む環境が高校生のネットワークで確立しており、TLE研究者コミュニティでは、日本の高校生の取り組みは世界的に注目される程度まで発展した。2012年のNHK番組「宇宙の渚」でも番組内で高校生の活動の一部が紹介されている。現在は、国際宇宙ステーション「きぼう」暴露部に搭載されているJEM-GLIMSによる上空からの発光観測と、高校生チームによる地上観測との同時観測の成功が期待される状況にある。本発表では、高大連携スプライト多地点観測プログラムの10年間の歩みを報告する。参考文献: Shirahata et al., Striped structure observed in the elves: Relation to turbulences in the upper atmosphere, submitted to AS28 session, AOGS 2014, Sapporo, 2014.