日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04_29PO1] 高等学校の地球惑星科学教育

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

18:15 〜 19:30

[G04-P02] Arduino と "Proessing" でよみがえる「フィルムケース地震計

*岡本 義雄1 (1.大阪教育大学)

キーワード:地震計, USB接続, 教材, Arduino, Processing

20年前,筆者はいわゆる「フィルムケース地震計」(岡本,1999)を学校教材用に製作した.そのシステムは当時最新の地震計システムを真似て簡略化した,ムービングマグネットセンサとPC記録システムを含んだ地震計であった.震動センサは簡単で,すぐに組み立てることが容易であったが,記録システムはやや複雑な電子回路と,特殊なPCでのみ働くプログラム言語を用いていた.そのため,この地震計は他ではそれほど製作されることもなく,また教室で用いられることも乏しかった.この観点にたち,今回この古いシステムをフルモデルチェンジし,"Arduino"という新開発のワンチップマイコン(AD変換とIOインターフェイスの両方を兼ねる)と"Processing"という,JAVAベースでOSを選ばない画期的なプログラム言語を用いた新しいスタイルのものに改良した.その特徴は次のとおりである;
1)アクリルパイプに巻いたコイルの中に,柱の上から直列につないだ輪ゴムでネオジム磁石を吊るす.ネオジム磁石は十分な震動による信号を作り,またコイルに重ねた金属パイプに発生する渦電流により十分な制動がかけられる.
2)記録システムとソフトウエアは以前より簡単に改良され,どのPCでも使用可能であり,タブレットにさえも対応する.
3)信号のA/D変換とI/OインターフェイスにはArduino Uno(約3千円)のワンチップマイコンを使用.ソフトウエアはProcessingを用いて,汎用USBポートからPCとやり取りされる.
4)Processing言語はハードウエア制御と記録に用いられるが,Windowsのほか,MacやLinuxでも使用できる.
5)自然地震観測のために追加するハードウエアはOPアンプを用いた増幅回路でこれは,古いシステムから流用した.
6)すべての機材はアクリル透明箱に収められ,外から機構がわかりやすく工夫されている.
7)波形信号はリアルタイムでPC画面に秒のタイムマーク入りで表示され,画像か数値データで逐次,保存可能である.
8)記録と表示は3チャンネルに簡単に拡張可能である.