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[HDS29-P05] 重力性山体クリープ変形の限界領域を示す地形量としての起伏度,山体釣鐘形状度,山体歪み度
キーワード:重力性クリープ, 限界地形量, 起伏度, 山体釣鐘形状度, 山体歪み度, 大規模山体崩壊
二重山稜・逆向き小崖地形は,重力性山体変形の指標として注目されてきた.しかし山地稜線における重力性変形は氷期以降3万年前以前に始まり,数万年の時間スケールで徐々に発生している.静岡県安部川・大井川水系の分水稜線で行ったトレンチ調査では,AT降下以前,K-Ah降下以前および5-600年前に線状凹地の形成や拡大があったことが明らかになった.とは言え,二重山稜・逆向き小崖地形が必ずしも大規模な山体崩壊にまで至っていない場合が多いようだ.本報告では,安政地震・宝永地震で大規模な山体崩壊があった七面山,大谷崩れを含む高起伏山地において,起伏度や山体釣鐘形状度という示標を用いて,それら大規模崩壊の発生した周辺斜面の地形的特徴を明らかにした.その結果,二重山稜が発達する斜面でも起伏度や山体釣鐘形状が閾値に達していなければ大規模な山体崩壊は地震時にも発生しにくいことが予想された.また,小崖地形の総崖面長と斜面長の日から算出する山体の歪み度を計測することで崩壊予測を試みる.