日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG21_29PO1] 自然資源・環境の利用と管理

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*上田 元(東北大学大学院環境科学研究科)、大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)

18:15 〜 19:30

[HGG21-P01] ケニア・ヴィクトリア湖岸の農林漁村における掘り抜き井戸の利用と管理―用水規則の諸特徴

*上田 元1大月 義徳2 (1.東北大学大学院環境科学研究科、2.東北大学大学院理学研究科)

キーワード:水資源, 規則, ケニア, 熱帯アフリカ

本発表は,ケニア・ニャンザ州,ホマベイ・カウンティの一地域(旧スバ県)において,ヴィクトリア湖からの距離とともに生活用水としての重要性が増す掘り抜き井戸の利用と管理について行っている調査の中間報告である。2013年に概要を把握した井戸のうち,1つについては,雨季に水位が上昇したこと,用水者組合による用水管理に対応するかたちで一日の水位が変化すること,また,所定時間内に全世帯が毎日用水するのは不可能なことなどが確認された。この井戸の用水は先着順であり,水をロバで運搬する者の列と人力で運ぶ者の列の間で交互に用水する規則となっている。このほかにも,対象地域に点在する井戸には,地理的条件等を反映して多様な“待ち行列システム”がみられる。個々の井戸の用水規則には,それぞれの集落における用水上の不平等を軽減・解消しようとする試みが刻まれている。そのような規則に関する理解を深めることは,水資源の持続的利用と農村生計の安全保障を考えるために欠くことができない。