18:15 〜 19:30
[HGM22-P08] 裾礁型サンゴ礁の波高減衰に関する野外観測:沖縄島新原海岸の事例
キーワード:波高減衰, サンゴ礁, 裾礁, 水深, 沖縄島
沖縄島の海岸には裾礁型のサンゴ礁が発達し,従来からサンゴ礁は波高を減衰させる効果をもつことが指摘されている.サンゴ礁上の波の特性に関する研究はリーフ内外の波の変形や波高減衰現象に主眼をおいたものがほとんどであり,サンゴ礁上に入射した波がどのくらい減衰し,汀線に到達するのかについて明らかにした定量的研究はほとんどない.サンゴ礁上の波の減衰の程度は,サンゴ礁の幅や潮汐に伴う水深などの影響によって異なることが予想される.そこで,本研究では,まずサンゴ礁上の波高減衰に与える水深の影響を明らかにするために,調査地域として沖縄島南部の新原海岸を選定し,潮位,すなわち水深の異なる条件でサンゴ礁外縁部の砕波波高(H’)と汀線砕波波高(H_)を計測し考察を行うという野外観測を実施した.
調査地域におけるサンゴ礁の縦断形を把握するため,ポータブル測深機とGPSを利用して地形測量を行った.測定時の水深データは国土地理院沖縄験潮場(南城市知念安座真)の潮位表を用いて,平均海面からの水深に補正をして縦断形を作成した.縦断形からサンゴ礁の幅は約1150mで,サンゴ礁上の平均的な水深は1~2mであり,とくにサンゴ礁外縁部の礁嶺頂部はサンゴ礁上の最浅部となり,その水深は90cmであることがわかった.
波高減衰を示すH_ / H’と観測時の礁嶺頂部の水深との関係をみると,水深が小さくなるほどH_ / H’が小さくなる傾向をもつことがわかった.このことはサンゴ礁の水深の違いによって,波高減衰に違いが生じていることを示しており,サンゴ礁の水深が小さくなるほど,サンゴ礁が外洋からの波に対して潜堤としての波高減衰効果を発揮していることを示唆している.
調査地域におけるサンゴ礁の縦断形を把握するため,ポータブル測深機とGPSを利用して地形測量を行った.測定時の水深データは国土地理院沖縄験潮場(南城市知念安座真)の潮位表を用いて,平均海面からの水深に補正をして縦断形を作成した.縦断形からサンゴ礁の幅は約1150mで,サンゴ礁上の平均的な水深は1~2mであり,とくにサンゴ礁外縁部の礁嶺頂部はサンゴ礁上の最浅部となり,その水深は90cmであることがわかった.
波高減衰を示すH_ / H’と観測時の礁嶺頂部の水深との関係をみると,水深が小さくなるほどH_ / H’が小さくなる傾向をもつことがわかった.このことはサンゴ礁の水深の違いによって,波高減衰に違いが生じていることを示しており,サンゴ礁の水深が小さくなるほど,サンゴ礁が外洋からの波に対して潜堤としての波高減衰効果を発揮していることを示唆している.