18:15 〜 19:30
[HQR24-P04] ラビーンメント面を用いた構造運動像の復元:大阪平野の表層地質の例
キーワード:ラビーンメント面, 構造運動, 島弧内堆積盆地, 第四紀, ボーリングデータベース
ラビーンメント面は,海進期に波浪や潮汐の作用で海底が平坦化された面で,海進期堆積物中に明瞭な侵食面として記録されている.変形していない初期のラビーンメント面は,陸-海方向の地質断面では海側に緩く傾斜した直線で描くことができる.これと構造運動によって変形した下位のラビーンメント面とを比較することによって,下位の地層が堆積した後に受けた構造運動の復元に利用できる.例えば,上下のラビーンメント面が平行な場合は,地盤が一定の沈降もしくは上昇の傾向にあることがわかる.これに対して,下位のラビーンメント面の海側がより傾動している場合は,海に沈降の中心があり,これとは逆センス場合は,陸側が沈降していたことが分かる.このような断面解析をあらゆる方向で行うことによって,構造運動の3次元的な復元が可能である.また第四紀層の多くのラビーンメント面は,氷河性海水準変動の海進と関連して形成されることから年代が特定でき,構造運動速度の見積もりにも有用である.
このラビーンメント面を用いた構造運動像の復元方法を,日本の島弧内堆積盆地のひとつである大阪平野の表層地質に適用した.この解析にはボーリングデータベースから作成したボーリング柱状図列の断面図を用いた.その結果,陸側の隆起と海側への傾動が,撓曲に伴う比較的大きな隆起,背斜翼部での一定速度の傾動などが検出できた.
このラビーンメント面を用いた構造運動像の復元方法を,日本の島弧内堆積盆地のひとつである大阪平野の表層地質に適用した.この解析にはボーリングデータベースから作成したボーリング柱状図列の断面図を用いた.その結果,陸側の隆起と海側への傾動が,撓曲に伴う比較的大きな隆起,背斜翼部での一定速度の傾動などが検出できた.