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[HSC25-P09] 日本各地における古地震の震度復元
キーワード:古地震, 深度, 堆積物
地震国日本ではこれまでに数多くの地震被害が歴史的に発生している。地震被害軽減のためには、過去の地震の発生頻度・規模・影響域について明らかにしたうえで発生に備えなければならない。今回報告するものは、文献記録の残る歴史地震に関して、それぞれ任意の地点においてどの程度の揺れ(震度)があったかを推定するソフトである。歴史地震の震度に関する経験式をもとに、地震の震央と観測点間の距離および地震のマグニチュードを用いて観測点の地震震度を推定し、リストとして示すようにした。元来、この手法は湖沼堆積物を対象に、過去の地震記録を復元する基礎資料として考案されたものであり、琵琶湖および猪苗代湖において湖底地すべり堆積物(タービダイト)が発生する震度下限値を求めるために使用された。その結果、琵琶湖では45ガル、猪苗代湖では79ガルがタービダイト発生の下限値であると推定された。このような手法を各地の水域で用いることによって、記録文書のない過去についても地震記録(震央位置およびマグニチュード)が復元可能になる可能性がある。