日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT07_28AM2] GIS

2014年4月28日(月) 11:00 〜 12:45 422 (4F)

コンビーナ:*小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、村山 祐司(筑波大学大学院生命環境科学研究科地球環境科学専攻)、柴崎 亮介(東京大学空間情報科学研究センター)、吉川 眞(大阪工業大学工学部)、座長:小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)

11:45 〜 12:00

[HTT07-11] GISと古写真を用いた 100年間の地価形成要因の変動に関する研究

*青木 和人1武田 幸司2矢野 桂司3中谷 友樹3 (1.立命館大学歴史都市防災研究所、2.株式会社パスコ、3.立命館大学)

キーワード:京都地籍図, 地価形成要因, 古写真

地価を形成する要因は、その時代の社会経済状況を示す指標である。そのため、現時点の地価を形成する要因については、これまで多くの研究が蓄積されてきた。しかし、100年を単位とするような地価形成要因の変動を明らかにした研究は、ほとんどされてこなかった。その理由は、100年前の過去の地価を示すデジタルデータが存在しなかったためである。過去と現在の地価形成要因を比較して、その変動を示すことにより、社会経済状況の変化を示す研究が必要である。2008年11月、立命館大の21世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創生研究」での研究成果を基に、1912年刊の「京都地籍図」が歴史GISデータベースとして復刻された。京都地籍図では100年前の地価分布を詳細に把握することができる。京都は100年間に戦争被害や大規模災害を受けておらず、かつ、街区の変化が行われていない。そのため、京都は大都市における100年間の地価形成要因の変化を検討できる唯一の都市である。地価形成要因のうち、駅からの距離や道路幅員については、定量的な取得が容易である。しかし、繁華性などの地価形成要因は定量的取得が困難である。本研究では,デジタル化された京都地籍図データにGISを用いて100年の地価分布の変化を定量的に示す。そして、100年前の土地の価格形成要因を理解するために、古写真を活用して、100年を単位とする繁華性などの地価形成要因の変動を明らかにすることを目的とする。