日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT33_2AM1] UAVリモートセンシングが拓く新しい世界

2014年5月2日(金) 09:00 〜 10:45 211 (2F)

コンビーナ:*近藤 昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、長谷川 均(国士舘大学文学部地理学教室)、桑原 祐史(茨城大学工学部都市システム工学科)、井上 公(防災科学技術研究所)、座長:井上 公(防災科学技術研究所)、長谷川 均(国士舘大学文学部地理学教室)

09:00 〜 09:15

[HTT33-P01_PG] 小型UAVとSfMによる断層変位地形の詳細マッピング‐根尾谷断層水鳥断層崖の事例

ポスター講演3分口頭発表枠

*内山 庄一郎1中田 高2井上 公1熊原 康博2杉田 暁3後藤 秀昭2井筒 潤3福井 弘道3鈴木 比奈子1谷口 薫4 (1.独立行政法人防災科学技術研究所、2.広島大学、3.中部大学、4.独立行政法人産業技術総合研究所)

キーワード:Structure from Motion (SfM), Unmanned Aerial Vehicle (UAV), Digital Surface Model (DSM), オルソ画像, 地形計測, 水鳥断層

近年のラジコン技術の進歩によって、非軍事用の小型UAV (sUAV: small Unmanned Aerial Vehicle) の操縦安定性の向上と低価格化が進み、自らが機材を操作して低空空撮を行うことが可能となりつつある。我々は、根尾谷断層水鳥地震断層崖周辺で電動マルチコプターPhantomを用いた低空空撮を行い、109枚の画像を撮影した。さらに、これらの画像を基にSfM (Structure from Motion) による画像解析を行った。その結果、メッシュサイズ0.09 mのDSM (Digital Surface Model) および地上解像度0.03 mのオルソ画像を生成した。さらに、DSMから1 m間隔の等高線を生成し、精密な地形図を作成した。
小型UAVと低空空撮画像を組み合わせた手法は、各種の地形研究や災害後の調査など多くの研究に活用が期待される。また、この手法は、地形図や空中写真の整備されていない発展途上国など海外調査にとっても強力な調査手段となろう。今後、十分な安全確保および関連法規を遵守した上で、変動変位地形にとどまらず、広く地形研究全般にわたって新たな研究手法として普及することを期待したい。
なお、本報告の一部は日本活断層学会2013年度秋季学術大会において発表した (中田ほか、2013)。