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[HTT35-P03] 日本産樹木年輪のAMS炭素14年代測定による較正曲線の作成
キーワード:炭素14年代法, 樹木年輪, 較正年代, 大気成分, 地域効果
炭素14年代を暦上の実際の年代に修正するには,年輪年代法などで実年代の判明した樹木年輪の炭素14年代をもとにした「較正曲線」が用いられる。先に公開された北半球用の較正曲線「IntCal13」は主に北半球高緯度地域の樹木年輪の測定結果に基づいているが,太陽活動の11年周期を相殺するため,また炭素14年代測定に必要な試料量を確保するためにも多くは10年単位の年輪が測定されている。AMSによる炭素14年代測定(AMS-14C法)は1mg以下の炭素量でも測定が可能なことから,1年単位の樹木年輪などより詳細な測定に応用できる。近年は測定精度が向上し,これまで較正曲線の誤差に隠されてきた炭素14濃度における北半球内の不均質性が次第に明らかになりつつある。日本版較正曲線の作成を目指して,これまで継続されてきたAMSによる日本産樹木の炭素14年代の測定結果を紹介する。