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[MAG39-01] MeSO-netの観測データから地表の揺れを推定する試み
キーワード:地動, 首都圏地震観測網
東京大学地震研究所では,文部科学省委託研究事業「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト(平成19年~23年)」を受託し,首都圏に296ヶ所の地震計を設置した.この地震観測網(MeSO-net)は,地表の雑振動を避ける目的で,地下20メートルに地震計を設置している.そのため,この観測から得られるゆれは,地表のゆれとは異なっている.そこで,地下の地震計で観測された記録を用いて,地表におけるゆれを推定することを試みた.まず,MeSO-netが設置されている地点で,その直上で臨時観測を行って有感地震を観測し,それらの差を計測震度相当値で比較してみた.その結果,弥生観測点では,地表の方が1.0程度大きくなった.別の観測点で同様のことを行うと,その差は0.5~1.5程度でばらつきがあり,それぞれの地盤構造を反映しているものと考えられ,地震の規模,周期,震源位置による違いも考慮する必要がある.さらに,すべての観測点における臨時観測で,有感地震を観測することは大変である.そこで,短期間の臨時観測で雑微動記録を得て,その比較から揺れの差を推定することを試みたので紹介する.その際に,文部科学省委託研究事業「都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト(平成24年~28年)」でMeSO-net近傍に設置した地表面観測記録も利用した.