10:15 〜 10:30
[MGI37-06] 気象用格子データ形式の比較:気象庁ではなぜ索引付き順番探査を使うのか
キーワード:GRIB, netCDF, NuSDaS, 格子データ, 索引付き順番探査
数値天気予報などのシミュレーションで作成される格子点データにはWMO(世界気象機関)標準のGRIB,OGC標準のnetCDF,気象庁内で使われるNuSDaSなど多数の形式がある。Wright and Gao (2008) はデータ形式をファイル構造により順番探査と直接探査に二分し、部分読み込みの高速性とファイルサイズの選択と論じた。しかし気象庁で用いられるNuSDaS(豊田、2001)は索引付き順番探査ファイルであり、高速性とサイズが両立する。これら3分類の性能上の長短を比較した(表1)。現業数値予報でのデータアクセスには、しばしばデータ構造が疎な配列となる、ファイル書き出しは一度に行われて追加が行われない、ファイルの一部を読みだすことが多く性能が問われるという特徴がある。索引付き順番探査ファイルの短所(索引作成)が目立たず、読み書き速度とコンパクトなファイルサイズの両立という利点が享受しやすい。また、将来データサイズが巨大化してゆくと、単純な順番探査は不利になってゆくことも注意される。引用文献Bruce Wright and Feng Gao, 2008: GRIB vs NetCDF: Evaluation of the Technical Aspects. WMO ET-ADRS Doc.2.3(1) http://goo.gl/AFrsls豊田英司,2001:気象庁の数値予報ルーチンで用いられているデータセット形式の紹介.合同大会講演A2-001 http://goo.gl/JE0a3M