16:15 〜 17:30
[MIS23-P03] 岩手県唐丹湾奥部に発達する津波堆積物の特徴
キーワード:津波堆積物, 三陸沿岸
平成23年3月11日14時46分、牡鹿半島の沖合を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生し、同時に発生した巨大津波により東北地方太平洋沿岸地域は壊滅的な被害を受けた。東北地方太平洋沿岸地域は、過去に幾度もの津波被害を経験している。
堆積物中に含まれる古津波の記録(津波堆積物)を把握し、過去の災害規模を推定することで、今後の防災に役立てる研究が行われている。しかしながら、海域部での津波堆積物に関する研究はほとんど行われておらず、その分布や特徴は明らかにされていない。本調査では唐丹湾内における高分解能地層探査、採泥等の調査結果から、海域とくに沿岸域における津波起源堆積物の特徴を明らかにする事を目的とした。
地形的な特徴としてNW-SE方向に谷軸を有する唐丹湾奥部は、谷軸方向への縦断面において、以下の4つに区分できる。(1)0-22m付近:凹凸の少ないスムーズな海底面を呈する緩斜面、(2)22-25m付近:凹凸の激しい海底面を呈する平坦面、(3)25-43m付近:急斜面で特徴づけられ、斜面上部では長周期の凹凸が連なり、斜面下部では長周期の凹凸地形を呈している、(4)43-46m付近:表面に小周期の凹凸地形が発達する平坦面。
地質構造として、高分解能地層探査記録で見られた反射面のうち、海底面付近で広域に追跡できたものを反射面 A とし、反射面 A と海底面との間を第一層とした。この第一層は地形区分(1)において25-110㎝の厚さを持ち、谷軸で最も厚く側方に行くに連れて薄く分布、(2)において40-75cmの厚さを持ち、表層は瓦礫と思われる反射面が認められ、(3)においては斜面上部では50-60cmの一定の厚さを持ち、斜面下部では内部反射により第一層が断続的で不明瞭であり、(4)においては、第一層が不明瞭であるが50-110cmの厚さを有している。
柱状堆積物試料について、水深14mの13T_V_2ではU1(0-32:砂層)、U2(32-111:泥層)、U3(111-114:砂礫層)に区分された。とくにU1ではさらに0-19cm砂礫層、19-24cm 砂泥層、24-32cm上方細粒化が見られる砂層が推察され、生物擾乱の発達する下位の泥層(U2)とは明らかに異なった堆積過程を示し、3.11津波堆積物であると推定した。U1を高分解能地層探査記録と比較した所、第一層と相関が認められ、唐丹湾の0-40m付近に広く分布している事が明らかになった。
堆積物中に含まれる古津波の記録(津波堆積物)を把握し、過去の災害規模を推定することで、今後の防災に役立てる研究が行われている。しかしながら、海域部での津波堆積物に関する研究はほとんど行われておらず、その分布や特徴は明らかにされていない。本調査では唐丹湾内における高分解能地層探査、採泥等の調査結果から、海域とくに沿岸域における津波起源堆積物の特徴を明らかにする事を目的とした。
地形的な特徴としてNW-SE方向に谷軸を有する唐丹湾奥部は、谷軸方向への縦断面において、以下の4つに区分できる。(1)0-22m付近:凹凸の少ないスムーズな海底面を呈する緩斜面、(2)22-25m付近:凹凸の激しい海底面を呈する平坦面、(3)25-43m付近:急斜面で特徴づけられ、斜面上部では長周期の凹凸が連なり、斜面下部では長周期の凹凸地形を呈している、(4)43-46m付近:表面に小周期の凹凸地形が発達する平坦面。
地質構造として、高分解能地層探査記録で見られた反射面のうち、海底面付近で広域に追跡できたものを反射面 A とし、反射面 A と海底面との間を第一層とした。この第一層は地形区分(1)において25-110㎝の厚さを持ち、谷軸で最も厚く側方に行くに連れて薄く分布、(2)において40-75cmの厚さを持ち、表層は瓦礫と思われる反射面が認められ、(3)においては斜面上部では50-60cmの一定の厚さを持ち、斜面下部では内部反射により第一層が断続的で不明瞭であり、(4)においては、第一層が不明瞭であるが50-110cmの厚さを有している。
柱状堆積物試料について、水深14mの13T_V_2ではU1(0-32:砂層)、U2(32-111:泥層)、U3(111-114:砂礫層)に区分された。とくにU1ではさらに0-19cm砂礫層、19-24cm 砂泥層、24-32cm上方細粒化が見られる砂層が推察され、生物擾乱の発達する下位の泥層(U2)とは明らかに異なった堆積過程を示し、3.11津波堆積物であると推定した。U1を高分解能地層探査記録と比較した所、第一層と相関が認められ、唐丹湾の0-40m付近に広く分布している事が明らかになった。