日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS26_29AM1] 大気電気学

2014年4月29日(火) 09:00 〜 10:45 422 (4F)

コンビーナ:*芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、牛尾 知雄(大阪大学大学院工学研究科情報通信工学部門)、座長:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)

10:30 〜 10:45

[MIS26-07] 夏季雷雲に関連する高エネルギー放射線の発生位置同定

*庄司 智美1齋藤 将監1鴨川 仁1鳥居 建男2 (1.東京学芸大学物理学科、2.日本原子力研究開発機構)

キーワード:雷雲, 高エネルギー放射線, 富士山

以前から雷雲通過時に高エネルギーの放射線が観測される事例がいくつか発表されている。その事例のうち地上で観測されるものは冬季であったが、これは雷雲中の摩擦による電場の分布高度が冬季は低いことが原因であり、山岳や航空機など高度の高い場所では夏季でも観測される。このことから、雷雲と放射線の関係には雷雲内の電場が深く関係していることが示唆される。観測されている高エネルギーの放射線とは、地殻起源の自然放射線に存在しない3MeV以上のエネルギーをもつ放射線のことで、10MeV超のエネルギーをもつ放射線も観測されている。この高エネルギーの放射線は、宇宙線や自然放射線が大気中の分子と衝突し二次電子の電場による加速、制動放射線の発生が繰り返され雪崩的にこの現象が進んでいくことで、地上で高エネルギーの放射線が観測されるのではないかと考えられている。そこで、我々は雷雲起源の高エネルギー放射線発生のメカニズムを解明するため、2008年度から夏季に富士山頂での観測を行っている。本発表は2013年度の結果報告である。