日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS28_1AM1] 日本における巨大地磁気誘導電流

2014年5月1日(木) 09:00 〜 10:45 313 (3F)

コンビーナ:*藤田 茂(気象庁気象大学校)、片岡 龍峰(国立極地研究所)、藤井 郁子(気象庁地磁気観測所)、亘 慎一(情報通信研究機構)、座長:藤井 郁子(気象庁地磁気観測所)、藤田 茂(気象庁気象大学校)

09:00 〜 09:15

[MIS28-01] 複雑な地殻構造による地磁気誘導電流の増幅効果

*後藤 忠徳1 (1.京都大学大学院工学研究科)

キーワード:地磁気変化, 誘導電流, 海陸構造, 比抵抗

巨大地磁気嵐によって地下に引き起こされる誘導電流は、送電線網やパイプラインなどのインフラストラクチャを破壊する可能性があることが指摘されている。このような自然災害を未然に防ぐためには、事前の誘導電流強度の予測が必要である。巨大地磁気嵐の発生頻度や大きさについては従来からも研究がなされているが、誘導電流の発生場所である地殻やマントルの比抵抗構造不均質が強度予測にどの程度の影響を与えているかについては、これまでに研究はなされていない。本研究では2次元・3次元地下構造に対する誘導電流発生の数値シミュレーションを実施し、この問題を議論した。特に水平方向の比抵抗変化が大きい海陸境界に注目して計算を行ったところ、海岸線から20km程度の陸域では誘導電流の大きさは約6倍増幅されることが明らかとなった。また半島部のように海側にせり出した陸域でも同様に誘導電流の増幅効果があることが分かった。これらから、巨大地磁気誘導電流の事前評価を行う際には、その地域の地下および海底下の比抵抗構造を調査し、予測モデルに組み込むことが必要であることが示唆される。