日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS28_1AM2] 日本における巨大地磁気誘導電流

2014年5月1日(木) 11:00 〜 12:45 313 (3F)

コンビーナ:*藤田 茂(気象庁気象大学校)、片岡 龍峰(国立極地研究所)、藤井 郁子(気象庁地磁気観測所)、亘 慎一(情報通信研究機構)、座長:亘 慎一(情報通信研究機構)、片岡 龍峰(国立極地研究所)

11:45 〜 12:00

[MIS28-11] 太陽型星におけるスーパーフレアの統計的性質

*前原 裕之1柴山 拓也2野津 湧太2野津 翔太2本田 敏志3野上 大作2柴田 一成2 (1.東京大学、2.京都大学、3.兵庫県立大学)

キーワード:スーパーフレア, 太陽フレア

太陽フレアは太陽大気中で起こる爆発現象で、典型的には1029 - 1032 ergのエネルギーを解放する。近年の宇宙空間からの高精度の測光観測によって、太陽と似た恒星(自転の遅いG型主系列星)において、最大級の太陽フレアの10から10000倍ものエネルギーを解放する「スーパーフレア」が起こることが明らかとなった。 我々はケプラー衛星による高時間分解能(時間分解能1分)の約1300個の太陽型星のデータの解析を行ない、20天体における約150個のスーパーフレアを新たに検出した。検出されたフレアのエネルギーは1033 - 1035 erg(GOESクラスでX100からX10000の太陽フレアのエネルギーに相当する)だった。これらのフレアのデータと、時間分解能の低いデータから検出したスーパーフレア(279星で1547フレア)の結果をあわせるとスーパーフレアの発生頻度分布は指数-2のべき関数分布となることがわかった。さらに、自転周期10日以上、表面温度5600-6000Kの太陽と似た星におけるスーパーフレアの発生頻度分布と太陽フレアの発生頻度分布は、ほぼ同じべき関数の上にのることもわかった。これらの結果からスーパーフレアの平均発生頻度を求めると、1033 ergのスーパーフレアで約100年に1回、1034 ergのスーパーフレアでは約1000年に1回程度になる。また、スーパーフレアの継続時間はフレアで解放されるエネルギーに依存しており、太陽型星におけるスーパーフレアの継続時間はエネルギーの1/3乗に比例して長くなる傾向がみられた。これは太陽フレアの継続時間とエネルギーの間の関係と同様である。これらの結果は太陽型星のスーパーフレアと太陽フレアの統計的な性質が同様であることを示唆する。