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[MIS28-11] 太陽型星におけるスーパーフレアの統計的性質
キーワード:スーパーフレア, 太陽フレア
太陽フレアは太陽大気中で起こる爆発現象で、典型的には1029 - 1032 ergのエネルギーを解放する。近年の宇宙空間からの高精度の測光観測によって、太陽と似た恒星(自転の遅いG型主系列星)において、最大級の太陽フレアの10から10000倍ものエネルギーを解放する「スーパーフレア」が起こることが明らかとなった。 我々はケプラー衛星による高時間分解能(時間分解能1分)の約1300個の太陽型星のデータの解析を行ない、20天体における約150個のスーパーフレアを新たに検出した。検出されたフレアのエネルギーは1033 - 1035 erg(GOESクラスでX100からX10000の太陽フレアのエネルギーに相当する)だった。これらのフレアのデータと、時間分解能の低いデータから検出したスーパーフレア(279星で1547フレア)の結果をあわせるとスーパーフレアの発生頻度分布は指数-2のべき関数分布となることがわかった。さらに、自転周期10日以上、表面温度5600-6000Kの太陽と似た星におけるスーパーフレアの発生頻度分布と太陽フレアの発生頻度分布は、ほぼ同じべき関数の上にのることもわかった。これらの結果からスーパーフレアの平均発生頻度を求めると、1033 ergのスーパーフレアで約100年に1回、1034 ergのスーパーフレアでは約1000年に1回程度になる。また、スーパーフレアの継続時間はフレアで解放されるエネルギーに依存しており、太陽型星におけるスーパーフレアの継続時間はエネルギーの1/3乗に比例して長くなる傾向がみられた。これは太陽フレアの継続時間とエネルギーの間の関係と同様である。これらの結果は太陽型星のスーパーフレアと太陽フレアの統計的な性質が同様であることを示唆する。