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[MIS29-03] 2011東北沖地震のGPS-TEC前兆異常に同期した地磁気偏角変動
キーワード:東北沖地震, 前兆現象, 地磁気, 偏角, GPS-TEC, モデリング
2011東北沖地震の約40分前からTEC増加が確認された(Heki 2011)。この変動と同期した地磁気偏角の+変動が江刺、水沢、柿岡など東北沖の震源域近くの国土地理院ならびに気象庁の観測地で記録された(Heki & Enomoto 2013)。これらTECや地磁気偏角の同時変化はAGUが提示したWyss(1991)の前兆判定規準を満足している。 図1に[江刺]-[鹿屋]の地磁気水平成分Hと偏角Dの変動を示した。江刺での水平成分Hの平常値は29037nTで磁北は真北から西に6.9°振れている。それが地震発生の約40分前から+(東側)に変動し、地震直前時には+0.32分(9.31×10-5 rad)となった。地震前兆の変動分を|∆B|とすると、∆D ≪ 1なので、|∆B|?|H|・∆Dの関係が成り立つ。この関係から|∆B|?29037nT×9.31×10-5 rad = 2.70nTとなり、|∆Hにもその程度の変動(?2.38nT)が確認できる。 深層ガス圧力で強制されて発生する震源核電流モデル(Enomoto 2012)を2011東北地震パラメータ(震源核電流170kA、クラックギャップ: 0.1035mm、断層傾斜角16°)を用いて、電流源を直線電流長さを震源核サイズとしてビオサバール則により発生する磁場を計算すると江刺(震源から181km)で1.78nTとなり、観測値2.38nTとほぼ一致した。