18:15 〜 19:30
[MIS29-P04] 1998年から2012年にわたる地震に関連する電離圏総電子数の統計解析に関する研究
中磁気緯度地域では地震に先行して正のTEC異常が統計的に有意に出現することが[Kon et al.,2011]による先行研究によって報告されている.しかし,先行研究の解析で用いられた地磁気擾乱期間は日本地域においてやや根拠に欠けるものとなっていた.そこで,本研究では,地磁気擾乱期間を統計的に決定し,地震に先行するTEC異常が統計的に有意であるかを調査した.
地磁気擾乱の解析手法は,標本を復元抽出によって増幅させ,分布の偏りと歪みを取り除き推定値を得るBias-corrected Acceleration Bootstrap Method : BCa法という統計解析手法を用いた.TECの解析手法は,[Kon et al.,2011]にならい,Superposed Epoch Analysisという統計解析手法を用いた.BCa法を用いて1995年から2012年の期間の地磁気擾乱期間を調査した結果,磁気嵐の大きさが大きいほど地磁気擾乱期間が長くなる傾向があることがわかった.また,Dst指数に基づいた地磁気擾乱期間を設定することが可能となった.
次に,求めた地磁気擾乱期間を解析除外期間として1998-2010年および1998-2012年について地磁気擾乱期間を時系列TECデータから除去し、日本地域のM≧6.0、D≦40kmの地震についてSEA解析を行い,先行研究の結果との比較を行ったところ,地震の1~5日前に有意にTECが増加することが分かった.
さらに,統計地震学で広く用いられているMolchan Error Diagram解析を実施し,SEA解析によって示唆された,TEC異常の地震予知システムとしての有効性を検証した.その結果,地磁気擾乱期間の設定のしかたに関係なく地震予知システムとして有効であることがわかった.また,地磁気擾乱期間をDst指数に基づいて設定したほうが予測精度が向上した.
地磁気擾乱の解析手法は,標本を復元抽出によって増幅させ,分布の偏りと歪みを取り除き推定値を得るBias-corrected Acceleration Bootstrap Method : BCa法という統計解析手法を用いた.TECの解析手法は,[Kon et al.,2011]にならい,Superposed Epoch Analysisという統計解析手法を用いた.BCa法を用いて1995年から2012年の期間の地磁気擾乱期間を調査した結果,磁気嵐の大きさが大きいほど地磁気擾乱期間が長くなる傾向があることがわかった.また,Dst指数に基づいた地磁気擾乱期間を設定することが可能となった.
次に,求めた地磁気擾乱期間を解析除外期間として1998-2010年および1998-2012年について地磁気擾乱期間を時系列TECデータから除去し、日本地域のM≧6.0、D≦40kmの地震についてSEA解析を行い,先行研究の結果との比較を行ったところ,地震の1~5日前に有意にTECが増加することが分かった.
さらに,統計地震学で広く用いられているMolchan Error Diagram解析を実施し,SEA解析によって示唆された,TEC異常の地震予知システムとしての有効性を検証した.その結果,地磁気擾乱期間の設定のしかたに関係なく地震予知システムとして有効であることがわかった.また,地磁気擾乱期間をDst指数に基づいて設定したほうが予測精度が向上した.