日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS30_28PM1] 古気候・古海洋変動

2014年4月28日(月) 14:15 〜 16:00 501 (5F)

コンビーナ:*山田 和芳(早稲田大学人間科学学術院)、池原 実(高知大学海洋コア総合研究センター)、入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、北場 育子(神戸大学内海域環境教育研究センター)、北村 晃寿(静岡大学理学部地球科学教室)、佐野 雅規(総合地球環境学研究所)、多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、吉森 正和(東京大学大気海洋研究所)、座長:入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)

14:30 〜 14:45

[MIS30-11] 全ゲノム増幅法を用いた氷河中の花粉1粒ずつの同定

*中澤 文男1陶山 佳久2伊村 智1本山 秀明1 (1.国立極地研究所、2.東北大学)

キーワード:氷河, アイスコア, 花粉分析, マツ属, DNA, 全ゲノム増幅

氷河から見つかる花粉は、他の堆積物試料から見つかる花粉と異なり、細胞内物質(原形質)を残存しているものが多い。このことは、氷河中の花粉から遺伝情報が取得できる可能性を示唆する。従来の花粉分析は、花粉の形態によって分類群を同定するため、形態の類似した近縁種の識別は難しく、科あるいは属レベルでの同定に留まる場合が多かった。氷河に含まれる花粉をDNA分析しその遺伝情報が得られれば、属より下位の階級で同定が可能となる。そこで本研究では、ロシア・アルタイ山脈にあるベルーハ氷河から採取した表層積雪中のマツ属花粉を用いて、DNA分析から詳細な同定を試みた。マツ属の下位の階級には、2亜属、4節、17亜節、約111種が存在する。各マツ属花粉に含まれるゲノムDNAは、全ゲノム増幅法によって増幅し、葉緑体DNAの塩基配列解析を行った。その結果、亜節レベルでの同定が可能となり、さらに花粉種の候補を約10種まで絞ることに成功した。