日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS31_2AM1] 分野横断的連携による総合的な地球温暖化研究に向けて

2014年5月2日(金) 09:00 〜 10:45 511 (5F)

コンビーナ:*立入 郁(海洋研究開発機構)、河宮 未知生(海洋研究開発機構)、筒井 純一(電力中央研究所)、座長:河宮 未知生(海洋研究開発機構)

10:30 〜 10:45

[MIS31-07] Cyber Earth: 分野横断的地球科学に向けた技術的アプローチ

*村田 健史1 (1.情報通信研究機構)

分野横断的地球科学のためには、様々な観測データやシミュレーションデータを融合して解析・分析する環境が必要である。このことは誰もが理解していることであるが、一方で、その環境はもちろん、技術的方法論も明確ではない。 本発表では、今後のグローバルな地球理解へのアプローチの一つとして、Cyber Earthという考え方を提案したい。Cyber Earthは、実体としての地球とは別に、デジタルデータをクラウドコンピュータ上に集約し、そこにデジタルでバーチャルな地球を実現(再現)するイメージである。デジタル地球(Cyber Earth)にはあらゆるデータが定常的に流れ込み、管理・保存される。保存されたデータは1次処理、2次処理がなされると同時に、ユーザの要望に応じた形で抽出できる。また、過去、現在、未来の地球を大型ディスプレー上に再現するために、Cyber Earth内においてあらゆるデータ(ビッグデータ)の大規模処理と可視化が進められる。研究者は、3次元時系列空間(またはその一部を切り出した空間)においてそれらの情報を総合的に理解することができる。すなわち、Cyber Earthは、ネットワークを介してデータ収集する機能(Network Earth)、デジタル化されたデータを保存・管理する機能(Digital Earth)、およびデータを大規模処理・可視化する機能(Virtual Earth)の3つの機能から構成される。 Cyber Earthの考え方は特段珍しいものではなく、一方で現実離れしているという考え方もあろう。しかし、現在のICT(情報通信技術)をマッシュアップすることで、NICTサイエンスクラウドではCyber Earthのプロトタイプを作成してきた。講演では、Cyber Earthの考え方について議論すると同時に、Cyber Earthの基盤技術とマッシュアップ例を紹介する。